12月1日から福井と名古屋を結ぶ高速バスのダイヤが改正され、1日8便から10便に増便された。バス業界は運転手の高齢化や人手不足といった理由から、ダイヤの維持が困難な状況に直面している。ただ、2024年3月の北陸新幹線福井開業を前に、運行会社は「攻めの経営」に打って出た。

高速バスを8便から10便へ

福井鉄道や京福バスなど4社が運行している、福井 - 名古屋間の高速バス。これまでJR福井駅を午前7時に出る始発から、午後7時発の最終便まで1日8便を運行していた。

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今回のダイヤ改正で、1日10便となる。午前6時発と午後8時発の2便を増し、始発を繰り上げ、最終便を繰り下げすることで、主にビジネス利用者を取り込むのが狙いだ。燃料費の高騰などで料金は300円値上げされ、片道は3,600円になった。

静岡・熱海市からの帰省客:
選択肢が増えるので、福井に帰る時間帯や、熱海に戻る時間帯が選べるので良い

今回のダイヤ改正で、越前市内の武生インターチェンジ付近にあった武生停留所を、新設される新幹線駅「越前たけふ駅」前のロータリーに移設した。周囲には車600台分の駐車場があり、自家用車から公共交通機関への取り換えが容易になる。

北陸新幹線開業後は「乗り換えなし」のメリット

このタイミングでのダイヤ改正に踏み切った背景には、2024年3月に迫る北陸新幹線の県内開業にある。福井県内には現在、名古屋まで直通で結ぶ特急列車が運行しているが、新幹線が開業すると、延伸区間の特急は取りやめになる。

福井鉄道・惣宇利健善常務:
県内に延伸すると敦賀駅での乗り換えが発生する。高速バスの場合は福井から名古屋まで直通で行くことができる。値段的にも時間的にも、十分商機が出てくると思い増便した

現在運行している特急「しらさぎ」に比べ料金が安いことから、これまでも需要は高かったが、北陸新幹線開業後は「乗り換えなし」という新しいメリットが生まれる。そのため、さらなる需要が増えると見込んでいる。

福井鉄道・惣宇利健善常務:
需要は十分あると思うので、運転手が確保できればさらに増便したい

新幹線県内開業を機に攻めの経営へ。今回のダイヤ改正では土、日、祝日に限り、名古屋から福井県内のえちぜん鉄道「あわら湯のまち駅」(あわら市)や「三国駅」(坂井市)まで乗り入れる便が1つ新設された。新幹線開業で増加が予想される中京方面からの観光客の取り込みにも力を入れる。

(福井テレビ)

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