雪の中を走り回るクマ。

12月4日、北海道芦別市の市街地に現れた。

体長1.2mほど、体重約70kgと痩せたメスのクマで2~3歳とみられている。

冬眠はいつ?12月にクマ出没

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襲いかかってくるそぶりを見せたため、危険と判断。

事前の許可を得ていたため、駆除された。

この映像を見た専門家は。

例年なら冬眠の時期 なぜ出没?

「この時期は冬眠直前なので、本来であれば体脂肪をつけて太っていないとまずいが、そうは感じなかった。たくさん食べないといけないが、十分にできていない。そのため人里に出てきてしまった可能性が高い」(北海道大学大学院 獣医学研究科 坪田 敏男 教授)

例年だと11月下旬には冬眠に入ると言われているクマだが、2023年は異変が相次いでいる。

クマに相次ぐ”異変”

木にクマが背中をこすりつけている。

12月1日撮影(提供:桜井憲二さん 吉田多麻希さん)
12月1日撮影(提供:桜井憲二さん 吉田多麻希さん)

自分の臭いをつける「背こすり」という行為だ。

12月1日、北海道知床の羅臼町で撮影された映像。

林の中を悠々と歩きまわるクマの映像も。12月3日に、羅臼町で撮影された。

猟友会の桜井憲二さんによると、羅臼町内に設置した自動撮影カメラには異なる3頭のクマが映っていたという。

クマが出没する背景に”餌不足や温暖化”

「冬眠に入るタイミングが遅れていると思う。2023年は極端に餌が足りていないので、このままでは冬眠に入ると命の危険がある。ぎりぎりまで餌を探しているパターンが考えられる」(北海道大学大学院 坪田 教授)

2023年9月には、同じ羅臼町でガリガリに痩せこけたクマが撮影されている。

羅臼町 2023年9月撮影(提供:齋藤一馬さん)
羅臼町 2023年9月撮影(提供:齋藤一馬さん)

クマの餌となるドングリの不作や、サケ・マスの遡上が少なかったため、餌を十分に食べることができなかったとみられている。

「夏から秋にかけてクマの餌が不足していたのは間違いない。極端に食べられなくて体脂肪を蓄えられなかったクマは、冬眠中に死んでしまう可能性も」(北海道大学大学院 坪田 教授)

2023年はクマの冬眠に大きな異変が起きているようだ。

北海道文化放送
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