東京・高田馬場で起きた動画配信中とみられる女性が刺され、死亡した事件。逮捕された40代の男について目撃した人が口を揃え話したのは「被害者にスマホを向けていた」という犯行直後の不可解な行動だった。一方、動画配信と事件に関係について、ITの専門家は「トラブルになる恐れはある」と警鐘を鳴らす。

馬乗りになって…女性を何度も突き刺す

現場を撮影した映像には、鑑識班が多く集まり、路上にシートが敷かれていて、鑑識活動が行われている様子があった。

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凄惨な事件が起きたのは、JR高田馬場駅から約240メートル離れた路上だった。11日午前9時50分頃、「人が刺されている」との通報で事件が明らかになった。

現場近くにいた人:
すごい叫び声。「助けて―!ぎゃー!」という声が聞こえた。10秒ぐらいは聞こえていた気がする。

被害に遭ったのは20代女性で自身の様子をネットで生配信しながら現場付近を歩いていたとみられている。

現場に駆け付けた人:
(Q.女性はどんな様子?)僕が声をかけたら目を開けた感じ。(Q.意識はありましたか?)あ、目は開いたなって思ったんで、亡くなってはいないんだなって。(Q.女性の顔は血だらけ?)はい。

女性は、頭や首などを刃渡り13cmのサバイバルナイフで複数回刺され、心肺停止の状態で搬送されたが、その後、死亡が確認された。

殺人未遂の現行犯で逮捕されたのは、現場にたたずんでいた40代の男だ。

犯行を目撃した人は「馬乗りになって殴っているような、何回も顔を殴っているような。『助けて助けて』って言いながらバタバタして暴れてて、しばらくしたら何も言わなくなって」

犯行を目撃した別の人はこう話す。

犯行を目撃した人:
こういう感じでやってた。ナイフを(横に握った)感じで。ドンドンドンドン(何度も突き刺す)やってた。私たちびっくりしたね。

男性によると、倒れた女性の首に男がナイフを数回突き刺していたという。

また、現場を目撃した人たちが口を揃えて話したのは、男が取った犯行直後の行動についてだ。

「女の人のスマホを持ち上げて、女の人の顔を映して。(Q.被害者にスマホを向けていた?)そうです、顔に」「携帯持って、ケガした人の顔を写真撮っていた。気持ち悪いなと思った」「倒れている(被害)女性を無言で撮影しながら蹴っ飛ばしていた」といった声が聞かれた。

専門家「トラブルになる恐れはある」と警鐘を鳴らす

事件発生時、動画の生配信中だったとみられる被害女性だが、動画配信と事件に関係はあるのか。ITの専門家は「トラブルになる恐れはある」と警鐘を鳴らす。

ITジャーナリスト 三上洋さん:
特に外配信の場合は、どこにいるということがリアルタイムで分かる。そこにファンやリスナーと呼ばれる視聴者の方が会いに来る=「凸」(突撃)。凸をやるということは、ごく一般的に行われていること。そしてトラブルになる恐れはある。

そのため、現在地が分かる屋外での配信は、録画などの対策が必要だという。

警視庁によると、男は凶器とみられるサバイバルナイフと、もう1本別のサバイバルナイフをリュックサックの中に所持していた。

また、逮捕直後の調べに対し「殺そうとは思っていませんでした」と供述し容疑を否認しているという。

この男について警視庁は、精神的なトラブルを抱えている可能性があるとして氏名を明らかにしていない。
(「イット!」3月11日放送より)

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