有害鳥獣として捕獲されたシカやイノシシの肉を有効活用しようと、宮崎市にジビエ料理専門店がオープンした。手軽に楽しめるジビエ料理を通してオーナーは、「ジビエのおいしさを知ってもらいたい」と話す。

“有害鳥獣”を有効活用

宮崎市和知川原にオープンしたのは、イノシシのキャラクターが目印のジビエ専門店「INOHOI MEAT STUDIO」だ。イノシシやシカなどを捕まえるわななどを販売する宮崎市の会社「refactory」が経営している。

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refactory代表の守屋将邦さんは、「廃棄されるお肉をできるだけ利活用する場所がほしい」という思いからこのジビエ専門店をオープンしたという。

ジビエ料理のレシピは名店が監修

「INOHOI MEAT STUDIO」で提供しているのはベトナム風のサンドイッチ「バインミー」だ。パンの中には塩こうじに漬け込んだイノシシのバラ肉と、特製のアンチョビーソース、ニンジンとタマネギのなますがたっぷり入っている。

パンは、宮崎市の人気店「cafe&bakery COCONOE」から仕入れていて、レシピは宮崎市の蕎麦の名店「そばや 哲心」が監修した。
イノシシ肉とは思えないくらい臭みもクセも全くなく、野菜のさっぱりした感じで意外とあっさりしてペロッと食べられるという。

refactory・守屋代表:
僕があまりジビエが好きじゃないので、そんな僕でも食べられる料理だったらみんなにおいしいと思ってもらえるのではないかと

訪れた人からは「普通に一品料理のような感じでおいしい」との感想が聞かれた。

ジビエも牛豚鶏のように…

代表の守屋さんがお店をオープンしたきっかけの1つが、鳥獣被害対策として捕獲されたシカやイノシシの有効活用だった。

県内では2022年度、農作物などへの被害額が約3億7,300万円に上っていて、対策として有害鳥獣の捕獲が進む一方、県内の施設で処理されるのは1割以下で、残りは猟師が食べるか捨てられている。

refactory・守屋代表:
衛生管理されたお肉として、提供するまで行程に時間とお金がすごくかかる。まだ1歩踏み出せていない状況が宮崎県の中にはあるのではないかと思う。(ジビエを)手に取れる場所を作って、おいしいと思ってもらえるところからと思い、ニーズができたとき、狩猟家や若い人がイノシシ肉、シカ肉を食べよう、狩猟しよう、加工場に持って行こうという動きが活性化するのではないかと思う。(ジビエが)牛豚鶏みたいに身近な存在になってくれたら一番いいですね

「一人でも多くの人にジビエのおいしさを知ってもらいたい」、守屋さんは販売先を作ることで処理施設の稼働を増やし、宮崎県産ジビエの活用につなげたいと話している。

(テレビ宮崎)

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