宝塚歌劇団の俳優が急死した問題をめぐり、遺族は24日、劇団側と交渉した。劇団側は、調査チームは独立したものであると主張し、パワハラに関する再調査については言及していない。

“パワハラ”“いじめ”確認できず

2023年9月、兵庫県宝塚市で宝塚歌劇団・宙組に所属する劇団員の女性(当時25歳)が死亡しているのが見つかった。自殺とみられている。 

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歌劇団は11月14日、外部の弁護士による劇団員の死亡についての調査報告書を公表した。劇団での過密なスケジュールなどが原因で、心理的負荷がかかっていた可能性を認めた一方で…

宝塚歌劇団 井塲睦之理事・制作部長:
指導内容・方法については社会通念に照らして不当とは言えない。ハラスメントに該当するようなやりとりは見当たらず、個人へのラインへのいじめやハラスメントという事実は確認できなかった

ハラスメントやいじめの事実については、確認できなかったとした。

遺族側は再調査求める

この調査結果に対し、遺族側は…

遺族の代理人 川人博弁護士:
調査委員会はLINEで亡くなった彼女が訴えたことについて、ほとんど全て否認しているんです。上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前の価値観による思考と言わざるを得ません

劇団員に対するハラスメントが認められなかったことに反論。 また、調査を行った弁護士事務所には、歌劇団の運営会社・阪急電鉄の関連会社の役員を務める弁護士が在籍していることが分かり、遺族側は劇団から完全に独立した“第三者委員会”による再調査などを求め、11月24日に大阪市内で劇団側と交渉に臨んだ。

「第三者委員会ではないが独立性がある」

そして27日、遺族側が交渉結果を公表した。 劇団側は、ハラスメントについて、「現時点で特定のパワハラの存在を認めてはいないが、調査報告書にこだわることなく、遺族の主張を真摯に受け止め、引き続き協議したい。その他の遺族の要求については、認めるべきものは認めるよう前向きに対応していきたい」とした。 また、調査チームについて、「第三者委員会ではないが、劇団との関係で独立性がある」とした。

遺族側はこれまで、調査チームにパワハラ認定につながる証拠や書面を提出していたにもかかわらず、劇団側に共有されていなかったと指摘。今後、証拠を直接劇団側に提出し、パワハラについての再調査を求めた。

(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月27日放送)

関西テレビ
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