「正直、寂しいですよね」と、8年在籍した広島東洋カープへの愛着を漂わせる西川龍馬外野手(28)。11月14日、国内FA権の行使を発表した。その直後の心境や決断に至るまでの思いをTSS(テレビ広島)が独占取材した。

プロでの折り返し地点「挑戦するなら今」

カープでは2018年以来、5年ぶりとなったFA宣言。

11月14日、FA宣言をした西川龍馬外野手
11月14日、FA宣言をした西川龍馬外野手
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その2日後、西川選手の姿は東京・新木場にあるトレーニング施設にあった。

多くのメジャーリーガーも通う「シアトル・ドライブライン」の来日野球セミナーに参加。科学的な視点でバッティングを分析し、さらなる打撃技術向上を目指している。

「シアトル・ドライブライン」の来日野球セミナーに参加
「シアトル・ドライブライン」の来日野球セミナーに参加

FA宣言から2日経った心境について、西川選手は「正直、寂しいですよね。FA権を行使すると言ったものの…。今まで8年やってきてここまで成長できたのも、もちろんカープのおかげなので。寂しくないと言う人はいないですよ。プロ野球でプレーするにはちょうど折り返しくらいかなと、そのタイミングで考えて『挑戦するなら今やな』という思いで決断に至りました」と自身の胸中を明かした。

自分の中で「止まる」と思った

大好きな野球で人一倍努力し、つかんだFA権。2022年の残留宣言から1年、悩みぬいた末の決断だった。

ーーもう後悔はない?

西川龍馬 選手:
今はもうないです。言った以上は。これで、来シーズンが始まってボロボロやったら後悔するかもしれないけど。全然あかんやん、みたいな。それはそれで実力不足ってだけです

移動中、TSSの独自取材に応じる西川選手
移動中、TSSの独自取材に応じる西川選手

西川選手は2015年のドラフト5位でカープに入団。

西川龍馬 選手:
カープに入った時は体がとても小さかったし、周りの選手が大きすぎて「やばい!オレ無理やん」って。何かしらの形で1軍に残れたらいいなと思ってた。ほんならもう8年が経って、FA権を取得してましたよ。こんな未来は想像もしてなかった

カープに入団当初の西川選手
カープに入団当初の西川選手

ズバ抜けたバットコントロールは「天才」と称され、チームに必要不可欠となった西川選手。それでも「もっとうまくなりたい」という、一人の野球人としての純粋な思いは消えることがなかった。

FA権を取得後の2023年シーズンはカープに残留
FA権を取得後の2023年シーズンはカープに残留

西川龍馬 選手:
カープね、やっぱね、いい球団なんですよ。マジで。多少、甘えてしまうんですよ。「これでいいんや」と思うのも違うし。そう考えたら、自分の中で「止まるな」と思って。だから、あえて全然違うところに飛び込んで…。逆に、甘えは通用せんからね。勝負するしかない。どうなるか楽しみです

次なる「西川龍馬 第二章」では、どんなプレーを見せるのだろうか。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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