「夢グループ」の石田重廣社長と歌手の保科有里さんは、「安い!安―い!」など独特のしゃべり方とやり取りで人気急上昇中。“あの”語り口で9月からPRを始めたのは、地方自治体の福井・大野市についてだ。
夢グループが自治体の情報発信するのは初めてだという。石田社長は「第二のふるさとの気持ちで今後も頑張りたい」と意気込む。

市役所職員の「直接アタック」で実現

「夢グループ」のCMでおなじみの2人が、あの語り口で大野市の観光スポットや住みやすさ、ふるさと納税の返礼品などを紹介する動画を発信した。「すごいポイント!」といった文字テロップもテレビCMと同じだ。動画は全部で3本あり、3分から4分程度となっている。

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夢グループのPR動画
石田重廣社長:
今回、私たちは素晴らしいまちをご紹介します
保科有里さん:
どこのまちですか?
石田重廣社長:
保科さんの出身地・石川県のお隣の県、福井県の大野市です
保科有里さん:
知ってます。日本百名山の「荒島岳」が有名で「名水のまち」でもありますよね
石田重廣社長:
魅力があるまちですよね~

なぜこのようなPR動画が実現したのか。そこには市役所職員の「直接アタック」があった。

大野市産業政策課・藤田託也さん:
最初は友達と「夢グループとのコラボ動画を作ると面白いね」と話していて、その話を職場でしたところ、私の上司が「“産業団地安い”と言ってもらえるといいかも」というアイデアを出してくれた

普通じゃ困る…いつものバージョンで

無理を承知で依頼を出したところ、夢グループ側は「すんなり受けてくれた」という。夢グループは電動草刈り機やウォーターサーバーなど商品のPRは多数発信してきたが、自治体のPRは初めてとなった。

夢グループ・石田重廣社長:
僕は初めビックリした。(行政のPRなので)自分流じゃない普通の話し方をして笑ってもらわないような作り方を目指したら、大野市の担当者たちがそれでは困ると。いつもの社長と保科有里さんのあのバージョンがいいんだと

石田社長も保科さんも大野市については全く知らなかったという。情報を調査・収集し、市から送られた資料でシナリオを書いて動画を作製した。
そして、9月下旬から星空や天空の城などを紹介する「越前おおのブランド編」を公開し、その後、返礼品を紹介する「ふるさと納税編」、産業団地をPRする「企業誘致編」を公開した。

PR動画 企業誘致編
石田重廣社長:
1坪あたり2万円もしないんですね
保科有里さん:
安―い。私も買えるかな

大野市産業政策課・藤田託也さん:
みんなで笑いながら見て、夢グループにお願いして良かったと思った。特に好きなのは「ふるさと納税編」で、社長が歌いながら登場するんですけど、その歌が社長の即興らしくて

動画で大野市知名度アップに期待

夢グループにとってこのPR動画は地域貢献となった。そこには、福島市出身の石田社長ならではの地方に対する思いも込められていた。

夢グループ・石田重廣社長:
僕も地方出身。福島市出身だからなまっている。福島県ののどかな町で生活していたから、こんな人間性になった。大野市という町も、同じ人間としてホッとできる町じゃないかと思う。それをどんどんPRしたい

再生回数も順調に伸びていて、大野市としても知名度アップに期待が高まる。

大野市産業政策課・藤田託也さん:
まずはこの動画が大野を知ってもらうきっかけになれば。そこからは大野の素材、ポテンシャルがあるので、大野市の事業者の「稼ぐ力」の向上につなげたい

夢グループ・石田重廣社長:
必ず(大野市に)行きます。僕が大野市を歩いた時に市民が「社長!」と言ってくれるかどうか。そのために僕は一生懸命大野市をPRして、第二のふるさとのような気持ちで頑張るので楽しみにしてください

インタビュー後に石田社長は、「きょう話の中にデーブイデー(DVD)とかシーデー(CD)がなかった。デーブイデー(DVD)とかシーデー(CD)という言葉があると、テンポ良く話せるが、よく考えてみればデーブイデー(DVD)という言葉がなかった」と話していた。

(福井テレビ)

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