金融サービスのりそなホールディングスは、11月1日からグループ各社従業員の約3万人の“服装を自由化”すると発表しました。

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これまで銀行窓口などでは、制服やスーツなどを着る規定がありましたが、従業員の自律性の向上などを目的に、服装と頭髪の色や長さなどに関する細かい規定をなくします。

華やかな髪色に“ネイル”それでも好評のワケ

このような「服装や髪の自由化」はどのような効果をもたらすのでしょうか?
「めざまし8」が訪れたのは、すでにルール緩和を行っている愛知・長久手市のショッピングセンター「アピタ長久手店」。

店内には「もっと自分らしく。」というキャッチコピーと共に、オレンジ色の髪をした従業員が写ったポスターが掲示されています。

店の中を見てみると、サービスカウンターには毛先をピンク色に染めた女性。青や金髪の従業員の姿も見えます。

さらに衣料品売り場を担当している女性は、ハロウィーン仕様の華やかなネイルをしています。

アピタを運営する、ユニー株式会社では2022年11月、131店舗すべてで、規定があった、髪やネイルの色とデザインを自由にしました。(※ネイルは生鮮部門は不可)
きっかけは、従業員から「髪の色を自由にしてほしい」との声があがったことだといいます。

この決定に従業員たちは…。

毛先をピンクに染めている 業務担当:
お客さまの目とかも、厳しい点はあるかなと思ったので、今までより一層感じの良い接客になるようには心がけています。

髪を青く染めている コスメ売り場担当:
私らしさっていうものがすごく楽しいっていう感じになりまして、すごく仕事に対しても何か挑戦してみよう。何か私らしさで発見しようっていう気持ちになって。

髪色で「自分らしさ」を出せたことで、仕事でも自由な発想ができるようになったといいます。

利用客からも、「見た目が派手でもきちんと接客するなら問題ない」「店員さんがきれいなネイルをしていると、気持ちが和らぐ」など概ね好評です。

自由化決断の理由と効果

広がりつつある、職場での身だしなみの自由化や緩和。いち早く自由化を実現した、「ユニー株式会社」広報・魚住千尋さんは、改訂に踏み切った理由についてこう話します。

ユニー株式会社 広報・魚住千尋さん
ユニー株式会社 広報・魚住千尋さん

ユニー株式会社 広報・魚住千尋さん:
ユニーが創業以来50年間ルールを変えてこなかったのも、お客さまに不快感を与えないかということを重要視したためでした。でも、接客が良ければ髪色が自由でも、お客さまに与える不快感というのは軽減されるのではないかと考えまして、「元気な挨拶と好印象な接客」というルールを設けて、改訂に踏み切りました。

ルール緩和後、アピタ長久手店では「従業員のモチベーションが上がった」「従業員同士や客とのコミュニケーションが増えた」「パート従業員の応募者数増加」「主体性が伸び売り上げ・来客数が前年よりあがった」といった様々な効果があったといいます。

もちろん全ての利用者が、好意的な印象を持っているわけではありません。
取材の中では、「子供さんがびっくりしてしまうかも」といった声や、高齢の方が「私は好きではない」といった声も聞かれました。

ユニー株式会社 広報・魚住千尋さん:
全て大変ありがたいご意見として受け止めたいと思います。だからこそ派手な髪色だから良い接客ができないとお客さまに思われないように、好印象な接客を心掛けることで、サービスレベルの向上に努めていまいます。そして、全てのお客さまに「髪色が派手でも関係ないね」と言っていただけるようになって、多様性を受け入れるという事が社会で当たり前になっていくとうれしいなと思います。

変わる“意識”と“時代”

めざまし8のスタジオゲストであり、自身も華やかな髪色にしている長谷川ミラ氏は、過去の経験をこう振り返りました。

長谷川ミラ氏:
学生時代はやっぱりアルバイトするときに、ネイルだったり髪の毛が自由なところを選んでいたなとは思いますけど、やっぱり自分自身を思い出しても、その代わりちゃんと接客しなきゃとか、よりこう身が引き締まる思い出はありました。(自由な)代わりに、ジャッジの目が来るというのは、常に頭の中においてはいましたね。今もそうです。

逆に、若い頃は華やかな髪色だった橋下徹弁護士は、総論は「賛成」とした上で、「状況による」とも話します。

橋下徹 弁護士:
例えば僕の事務所の服装どうなっているかと聞いたら、ジーパンは禁止だと。というのは、亡くなられた方のご遺族の方も事務所に来ますし、その状況でジーパンはどうなのかと。総論は自由でといいたいのだけども、現場、現場で違うだろうと。

MC 谷原章介:
ご自身が主体的に判断をして、やはりこういう格好だと人に不快感を与えるなと。僕なんかだったら、ご遺族の方にお会いするときは金髪は確かにダメだと思いますよ。
ただその判断は、押しつけられるものではなくて、主体的に判断していきたいなと思いますよね。

――これから時代は変わっていきそうですか?
ユニー株式会社 広報・魚住千尋さん:

そうですね、時代は変わっていきますし、それに合わせてルールも変えていかなくてはいけないのかなと思います。
(めざまし8 10月30日放送)