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かつては人の命を救うため医学を志した男。
坂本弁護士一家殺害事件に加え、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など11の事件で死刑判決を受けた、オウム真理教元幹部・中川智正死刑囚は、6日、死刑執行された。
 

病院を退職後にオウム真理教に出家

岡山県出身の中川死刑囚は、京都府立医科大学卒業後、研修医として病院に勤務。1989年に病院を退職し、オウム真理教に出家した。

教団では「オウム真理教附属医院」の顧問のほか、松本智津夫死刑囚の主治医として、教団幹部へとのぼりつめた。

出家して、わずか2か月後に関与した坂本弁護士一家殺害事件では、龍彦ちゃんの口を押さえた中川死刑囚。
猛毒サリンの製造にも積極的に関わった。

中川死刑囚は、1.2審で死刑判決を受けて上告したが、最高裁は「犯行の遂行のため不可欠で重要な役割を積極的に果たした」と断罪。2011年11月に上告を棄却し、死刑が確定した。

裁判で「医師として、人間として失格でした。全ての関係者にお詫びします」と反省の言葉を口にした中川死刑囚。
死刑確定後は、東京拘置所内で医学書などを熱心に読んでいたという。

 

「これが最後ですね」

 
 
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今年3月14日には、東京拘置所から広島拘置所に移送された中川死刑囚。

移送される前日、面会に訪れた毒物研究の世界的権威・アンソニー・トゥ名誉教授に「移される可能性があると、(死刑執行の施設がある)6つのうちどこかに移されるだろうと」と言ったという。

中川死刑囚は、死刑執行について、怖がっている様子はなく覚悟を決めて堪忍しているという印象で、「場合によってはこれが最後の面会になるかもしれませんから、先生もお元気でと、これが最後ですね」と語ったという。

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