ジャニーズ事務所の東山紀之社長が10月2日「ジャニーズ事務所の社名を変更」し、「SMILE-UP.」(スマイルアップ)と改名するなどと明らかにした対応について、FNNが行った世論調査で、「評価する」との意見が19.5%、「ある程度評価する」が43.9%、「あまり評価しない」は16.9%、「まったく評価しない」は10.5%となった。

図:FNN世論調査 ジャニーズ事務所の対応への評価
【ジャニーズ事務所の対応について】
1.評価する 19.5%
2.ある程度評価する 43.9%
3.あまり評価しない 16.9%
4.全く評価しない 10.5%
10月2日の会見のポイントは、
・社名を10月17日に「SMILE-UP.」に変更し、性被害者の補償のみを行う。
・「SMILE-UP.」は、補償を終えた後は廃業する
・一カ月以内に、タレントと個別にエージェント契約などを結ぶ新会社を設立
・新会社の社名はファンから公募する
・新会社は、東山紀之氏が社長、副社長に井ノ原快彦氏が就任する予定
というものだった。
これに先立ち、9月7日に行われた会見では、藤島ジュリー景子前社長が「ジャニー喜多川氏による性加害があった」と認めたものの、その後9月に行ったFNN世論調査では「信頼回復できる」との答えは33%にとどまり、約6割は「信頼回復できない」と厳しい意見が多数を占めていた。
さらに、30代以上はすべての世代で、6割近くが「信頼回復できない」としていて、前途多難の様相となっていたが、今回の調査ではその評価が逆転した。
今回10月の調査を先月調査と比べると、世代ごとのジャニーズ会見への評価が一変したことが一目瞭然だ。9月の会見では、厳しい意見だった30代以上ののすべての世代で「評価する」が過半数を占めた。
【10月調査 ジャニーズ事務所の対応について 】
評価する 評価しない
20代以下 68.0% 24.4%
30代 64.2% 25.0%
40代 66.9% 29.2%
50代 67.7% 26.5%
60代 66.4% 27.4%
70代以上 54.3% 29.1%
【9月調査 ジャニーズ事務所の信頼回復について 】
信頼回復できる 信頼回復できない
20代以下 53.3% 41.7%
30代 40.2% 57.0%
40代 30.3% 63.4%
50代 34.5% 58.7%
60代 29.8% 57.0%
70代以上 22.7% 57.2%
30代以上を動かしたものは一体何だったのか、世論調査の過程で聞かれたいくつかの声のなかにあった、「決別すると言っているから」という意見が印象に残った。
10月2日の会見で、東山社長は「喜多川氏と完全に決別する決意を示すために、すべてジャニーズとつくものはなくなる」と強調した。9月の会見では、「ジャニーズ」の看板と決別すると明言するには至っていなかった対応と比べると“違い“が受け入れられたと言うことだろうか。
ただし、看板の付け替えでは、見せかけに過ぎず、性被害者への一刻も早い具体的な補償が、SMILE-UP.に今後求められる。心身の救済に向かう補償が求められる真価だ。

ジャニー喜多川氏による性加害問題が話題となる中、政府も子どもへの性被害防止に動きを進めている。16日、岸田総理は子どもに対する性被害を防ぐ法制度について「実効的な仕組みとなるよう早急な対応」を指示した。
検討会議では、性被害防止につながるカメラ設置や、プライバシー保護のパーティション設置などへの支援が決まった。
一方で、子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS」の創設法案については、今秋の臨時国会への法案提出が見送られた。

子どもがいる一人の親として、子どもが性被害者になることが決してない、当たり前の社会に向けて、まだまだ課題が山積みだ。
(フジテレビ政治部デスク 世論調査担当 西垣壮一郎)