歌手・谷村新司さんの訃報を受けて16日、「アリス」のメンバーがコメントを発表した。
谷村さんとともにボーカル&ギターを務めた堀内孝雄さん（73）は谷村さんの子どもの頃からの愛称である「チンペイさん」との書き出しで、「突然の別れに驚きを隠せません。来年のツアーに向けて回復に向かっていると伺っていただけに、とても残念です」と綴った。
そして「50年来の親友であり、『アリス』のリーダーであり、そして良きライバルでした。学生時代に、『プロにならないかと？一緒にアリスをやろう』と、誘ってくれたとき、心の底から嬉しかった。チンペイさんが、あの時誘ってくれなかったら、今の僕はありません」と振り返った。
そして、「ずっと一緒に音楽活動ができたことが幸せでした。また、いつか空のほとりで一緒にライブをやろうね。もうちょっと待っていてね、キンちゃん（編集部注：ドラム&パーカッション担当の矢沢透さん）と、もう少しだけ頑張るね。心から、ありがとう。安らかに。ご冥福をお祈り申し上げます」と悼んだ。
矢沢透さん「新しいアリスの始まりに胸躍らせていた矢先のことでした」
また、ドラマー・矢沢透さん（74）は「東京に住む僕と大阪に住む谷村と、何の因果か運命の出会いか堀内を紹介され3人アリスとして歩み始めました」と出会いを振り返った。
そして、「時にはいがみ合い、時には抱き合い幾多の苦難も喜びも共有し、無我夢中で駆け抜けた」「そして気が付けば51年という長きに渡って谷村と関わるとは・・・あの日からは想像もしませんでした」と、これまでの関係を振り返り、「若さの灰汁も抜け『これからは本当に音楽を楽しんでやっていこうね』と新しいアリスの始まりに胸躍らせていた矢先のことでした」と突然の別れであったことを告白。
「谷村なら大丈夫、谷村ならきっと戻ってくる、根拠のない確信めいたものを感じておりました。でも谷村は戻ってきませんでした！もういないんです。悲しいというより悔しいんです」と思いを綴った上で「谷村はもう僕たちのみんなの心の中にしか住む場所がないのです。思い出せば必ず胸にやってきます、どうか谷村を忘れないで下さい」と呼びかけた。
