10日に発生した銀行システム障害は発生から24時間以上が経過したが、完全復旧のめどは立っておらず、混乱が拡大している。
大規模銀行システム障害、復旧めど立たず
11日朝の東京・港区の三菱UFJ銀行新橋支店。店の中では、ATM(現金自動預払機)に1台ずつ張り紙を張る姿が見られた。張り紙には「『12時~15時半』の他行宛振込の受付ができません。」と書かれていた。
この記事の画像(11枚)── トラブルの影響は?
銀行の利用者:
困ります。本当に困ります。仕事にならないので。
金融機関同士での送金に影響が出ている大規模なシステム障害は、発生から24時間以上がたっても完全復旧のめどが立っていない。
影響は、三菱UFJ銀行やりそな銀行など、11の金融機関で今も続いていて、10日までの時点で、少なくとも140万件の取引に影響している。
暮らしにも支障が出ている。
三菱UFJ銀行を利用している30代の人は「学校の学費だったりとか、子どもの習いごともすべて振り込みでやっているので、それができないってなると、なるべく早く解消してもらわないと生活に支障があるな」と話していた。
中には、振り込みができないため、得意先への支払いを現金で届けるという男性もいた。
りそな銀行を利用している70代男性は「現金で届ける。領収書もらう。昭和に戻ったみたいだね」と、大きなかばんを台車に乗せ、諦め顔だった。
入金確認できず中小企業には深刻な影響も
中小企業には深刻な影響が及んでいた。
東京・大田区で精密ネジなどを製造する金属加工会社「富士セイラ」では、納入した商品の入金が確認できず困惑していた。
富士セイラ・高須俊行社長は「大変困っていますね。購入先も1000社ぐらいあって、常に、お金が入って、お金を出すということが、常日頃から回してますので、流れが止まっちゃうと大変です」と話していた。
従業員の間では、月末に控える給料の振り込みは大丈夫なのかという不安が広がっていた。
富士セイラの従業員は「クレジット払いが返せないからよくない」、「緊急の場合は手渡しでも欲しいです」などと心配していた。
取材中、ようやく10日振り込み予定だった分の入金が1日遅れで確認され、社長もひと安心。
富士セイラ・高須俊行社長は「やっと通常に戻ったので、正直ほっとしていますね」と胸をなで下ろした。
現在は、バックアップ手段で取引処理を行っているが、埼玉・蕨市のおしぼり工場では振り込みの入金が確認できないなど、取引の処理の遅れなどが続いている。
影響は児童手当にも及んだ
影響は列島各地でも...。
広島市に本店を置く、「もみじ銀行」では職員が対応に追われていた。
もみじ銀行の利用者は「家賃の振り込みをしようと思ってきたんですけど、 まさか振り込めないと思わなかった」、「早く直ってほしい」などと話していた。
さらに愛知・豊橋市では、児童手当約2万5000件のうち、10日時点で約1万8000件が振り込まれなかったことがわかった。
市には、100件ほどの問い合わせが寄せられるなど、子育て世代にも影響が広がっている。
(「イット!」10月11日放送より)