この夏、悪臭を放つ「カメムシ」の大量発生が全国で確認された。広島県内の都市部でも、地上から建物の10階部分まで至る所に生存している。害虫駆除の専門業者によると、この状況は11月末ごろまで続きそうだ。

カメムシによる“営業妨害”に困惑

夜の街灯に群がっているのはおびただしい数のカメムシ。思わず顔をしかめたくなる映像が、視聴者から寄せられた。2023年、こうした「大量発生」の様子が全国各地で目撃されている。

9月26日に京都市で撮影された大量のカメムシ
9月26日に京都市で撮影された大量のカメムシ
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10月9日、広島市安芸区にあるビジネスホテルの屋外の非常階段へやってきた。

建物の10階部分であっという間に4匹のカメムシを発見した。

2021年にオープンし連日満室になる人気のビジネスホテルだが、この夏からカメムシが現れるようになったという。

ホテル アストンプラザ 広島海田市駅前・一色貴樹 副支配人:
一刻も早くいなくなってもらうのが一番です。僕らも原因がわからない。まずは客室には絶対入れない。館内にも入れないような対策を取っています

カメムシが入り込まないように、客室の窓枠に殺虫剤をしっかりと散布。清掃員による確認作業も徹底し、これまでのところカメムシに関する苦情は1件も寄せられていない。

客室の窓枠に殺虫剤を散布する一色副支配人
客室の窓枠に殺虫剤を散布する一色副支配人

ホテル アストンプラザ 広島海田市駅前・一色貴樹 副支配人:
カメムシは臭いを発する虫です。やれることはすべてやった上でお客様をお迎えするのが、僕らホテルマンとしてのあるべき姿だと思っています

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その影響は広島市中心部にも及んでいる。9日夜、広島護国神社の周辺で街灯に群がる複数のカメムシが確認できた。残暑が厳しかった9月には夜間、特に数多くのカメムシが見られたという。

広島護国神社・松下和正 禰宜:
今年は暑いうちから緑色のカメムシをよく目にするようになりました。昼間はほとんどいないので、特に影響はありません

ところが、昼間に広島護国神社を取材していた五十川記者にハプニングが起こった。

五十川裕明 記者:
臭い!臭いです。今、私の肩にカメムシが…

見ると、真っ黒なカメムシが肩から後頭部へ進み、五十川記者の髪の毛にくっついている。そして襟の隙間に…

五十川裕明 記者:
わっ!カメムシがあああああ、やだやだやだ!取ってください!

危うく服の中へ侵入するところをスタッフに払い落としてもらい、防ぐことができた。

温暖化でエサが増えたことが要因か

全国の広い範囲で農作物への被害防止を呼びかける「カメムシ注意報」が出されているが、広島県ではまだ発表に至っていない。

しかし、害虫駆除の専門業者は県内でも、近年例を見ない事態が起きていると注意を呼びかけている。

広島県薬業 サニタリーサービス部・手塚孝志 部長:
緑色のツヤアオカメムシが非常に多い気がします。エサとなるスギやヒノキの実が今年は多いんじゃないかと

地球温暖化の影響などで、春先に幼虫のエサが増えたことが要因の1つに考えられるという。

広島県薬業 サニタリーサービス部・手塚孝志 部長:
暖かいところを求めて、越冬する場所を求めて室内にも飛んでくる。11月いっぱいくらいまでは気をつけて、夜間は窓を開けっぱなしにしないようにしてください

視聴者撮影のカメムシ
視聴者撮影のカメムシ

カメムシの影響は臭いだけでなく、ミカンやナシなどの果物をストロー状の口で突き破り果汁を吸う「食害」もある。足の根元部分に液体を分泌する箇所があり、直接液体が付着すると皮膚炎を生じることも。カメムシに刺激を与えると自己防衛のために分泌するので、触らないよう注意が必要だ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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