春の訪れを告げ、女の子の健やかな成長を願う桃の節句。伝統の象徴であるひな人形も、今や“選ぶ楽しさ”の時代である。インテリアになじむデザインや自分好みにカスタマイズするタイプまで、令和の最新事情に迫る。
木目調が新定番!令和のひな人形
広島市中区の「進物の大進広島本店」で、2026年のひな人形大展示会が開催されている。会場を訪れた中西敦子アナは「今年もいろんなひな人形が出ていますね」と目を輝かせた。
近年のトレンドは、家具のようにインテリアに溶け込む木目調。人形が引き立つよう、ぼんぼりや花飾りなどの道具をあえてシンプルにしているのが特徴だという。
進物の大進・高呂治美さんは「何十年と販売してきましたが、こんなに木目調が流行るとは思いませんでした」と驚きを隠さない。
中でも売れ筋は、“木目込人形”のおひなさま。
胴体の溝に布を埋め込む江戸時代に生まれた技法で作られ、着崩れしにくいのが特徴だ。コンパクトでころんとしたフォルム、台座の収納箱にそのまま収まる実用性も支持を集めている。
花火を背景に、現代的なデザイン美
もう一つ目を引くのが、親子で制作する「春蔵」シリーズ。父は人形作家、娘は人形デザイナー。伝統的なひな人形を大切にしながら、モダンで色彩豊かなデザインと融合させている。
花火をコンセプトにした一式は、黒地の屏風に金の打ち上げ花火が広がり、男雛は深い藍色の束帯、女雛は鮮やかな朱色の十二単。真正面はもちろん、横から見ても上から見ても美しく見える設計である。
中西アナは角度を変えながら眺め、「背筋がピンと伸びて凛としていますね。私もこういう姿勢を目指したい」「下から見ても迫力があります」と興味津々。特に上から見た瞬間、「衣装の華やかさがよりわかります」と声を上げた。職人のねらい通り、どの視点でも魅力が伝わってくる。
自分好みを選び「世界に1つ」を作る
広島市南区の節句人形専門店「人形の藤娘」では、さらに一歩進んだ楽しみ方が待っていた。
男雛と女雛、台座、屏風、道具を自由に組み合わせ、自分だけのひな飾りを作れるという。
「まず何から選べばいいですか」と首をかしげる中西アナに、人形の藤娘・小田洋史さんは「まず人形選びから」と勧める。

迷いながら選んだのは、ペアで白基調の衣装をまとった京雛。小田さんも「今、白い衣装が人気です」とうなづく。
続いて屏風と台座選び。木目に桜が描かれた屏風を見つけると、「風になびいて花びらが舞っているみたい。ビビッときました」と即決した。
中西アナらしく?名付けて“音楽会”
道具も吟味し、中西アナの“好き”を詰め込んだ一式がこちら。
淡い木目調の屏風の前に並ぶ上品な京雛。さらに琴と琵琶、桜の飾りが添えられ、春らしい仕上がりだ。
完成したひな飾りを前に中西アナは「題名を思いつきました。華やかなる音楽会」とにっこり。店主も「オリジナル性がありますね。宴のようで楽しい雰囲気です」と目を細めた。
伝統工芸でありながら、選び方も飾り方も自由度が増したひな人形。守り継がれてきた美しさに、自分らしさを添える――そんな楽しみ方が、桃の節句をもっと特別な一日にしてくれそうだ。
(テレビ新広島)
