県外から山形・最上町に移り住んだ2人の陶芸家が、町に根付く陶芸文化の継承を任された。最上町に根を下ろして2年半がたち、理想の土にめぐり合えず苦戦するも、使われなくなった田んぼの土を使用し「鮭川陶器」を完成させた。

一筋縄ではいかない陶芸家たちの挑戦

宮城出身の川和田宗太郎さんと、青森出身の秋元哉子さん。2人は2021年4月、地域おこし協力隊に採用され、町に根付く陶芸文化の継承を任された。

2021年取材
2021年取材
この記事の画像(6枚)

2021年に2人を取材した時、宗太郎さんは「最上町の土と釉だけを使った“最上焼”を作りたい。自分1人ではだめなので、互いに助け合いながら“最上焼”を作りたい」と話していた。

東北芸工大在学中に2人が習得したのは、赤土に白い泥をかける「粉引」と呼ばれる技法。積み上げたキャリアを生かして町への恩返しを果たすため、“最上町の土”にこだわって試行錯誤したが、理想の土にはめぐり合えず2年がたった。

仲間の助言で大きな一歩

転機となったのは、ともに地域おこしに取り組む仲間の助言だった。

宮城県出身・川和田宗太郎さん:
鮭川村の協力隊の方に「もともと鮭川村で陶芸が行われていた」と聞いて、試みようと

そこは現在休耕田となっている場所で、2022年6月に所有者の承諾を得て土を採取した。焼き上げてみたところ、鮭川の土は耐火度が高い良い土だったという。

宮城県出身・川和田宗太郎さん:
今回は“鮭川”のイメージを作品に込めたくて、川のせせらぎ・みずみずしさを感じられるように、粉引とは違う調合で作った。自分たちの大きな一歩。土探しは今もずっと続いていて、“最上の土”を使った器をあきらめずに作りたい

まだ見ぬ夢“最上焼”。その思いをつなぐ「鮭川陶器」は、10月12日に鮭川村の産直施設でお披露目される。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。