今年は猛暑と少雨の影響でマツタケをはじめとしたキノコの生育が遅れている。9月27日、マツタケ狩り名人が長野県上田市の山に入ったが、1本も生えていない状況だった。名人は「雨降って、涼しくなって」と話し、祈るような気持ちで山をあとにした。
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意気込んで入山も…
マツタケ狩り歴40年以上で、上田市で飲食店を経営する池田栄五さん(74)。
池田さんの所有する「マツタケ山」へ。
今年は生育が遅れているということもあり、9月27日がシーズン初の入山。
この記事の画像(7枚)意気込んでいたが…。
「なんにも生えてない。毒キノコも生えてない。キノコのキの字もない」と池田さんから嘆きの声。
この場所は例年、この時期20本近く生えていることもある「鉄板」の場所だった。
これだけの不作は二十数年ぶり
しかし、27日は1本も見つからず30分ほどで打ち切りとなった。
これだけの不作は二十数年ぶりだという。
原因は厳しい残暑と少雨。
池田さんは、「山が乾きすぎ、今年これから出るのか心配、このまま暑けりゃ出ないで終わっちゃうかもしれない」と表情を曇らせていた。
今年、地元上田市産は一度も…
池田さんは9月14日、上田市の市場で初めてマツタケが入荷した際、競り落とし店頭に並べた。
県内産が市場に出た場合はなるべく仕入れるようにしているが、今年はまだ数回のみ。上田市産は一度も出ていない。
そこで池田さんの店では2022年、採れた地物のマツタケを使って「松茸おにぎり」を販売している。
2022年は豊作で、低温保存しておいたという。
雨降って、涼しくなって
まだ、マツタケが生えない山。
「雨降ってください、涼しくなってほしい。秋の味覚の王様をみんな待ってるからね」と、池田さんは祈るような気持ちで空と山を見つめていた。
(長野放送)