土地取引の目安となる基準地価で、上昇率32.4%と全国1位になった熊本・大津町のある場所を取材。地元の人気グルメから、変わりゆく町の「今」が見えてきた。

インド料理店が“町の一等地”に

人口約3万6000人の熊本・大津町。田園風景が広がるのどかな田舎町に、この1年で土地の価格が日本一跳ね上がった(地価上昇率32.4%)場所がある。向かってみると、そこは本場の味が自慢のインド料理店だった。

地価上昇率“日本一”の場所にあるインド料理店「スリャ」
地価上昇率“日本一”の場所にあるインド料理店「スリャ」
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2019年にオープンしたインド料理店「スリャ」。人気メニューは、インド北西部・グジャラート出身のシェフが作る本場のカレーだ。厳選した地元の食材とこだわりのスパイスで、さらりと仕上げたルーが食欲をそそる。毎月通う常連客も「本場インドの方が作るナンとかもとてもおいしい」と笑顔を見せる。

オーナーのブパトさん
オーナーのブパトさん

一躍“町の一等地”となった地元の人気レストラン。オーナーのアヒイル・ブパトさんは「大騒ぎです、今。この1年間、だいぶ新しい建物も建っているし、前はガラガラだったけど、最近はいっぱいですよ」と話す。

TSMC進出…周辺で建設ラッシュ

熊本・大津町がこの1年間で地価上昇率1位となったワケは、隣町で建設が進む、世界最大級の半導体メーカー「TSMC」の工場だ。従業員など人の流入に伴い、周辺ではマンションやホテルなどの建設ラッシュが始まっていた。

熊本・大津町はマンションやホテルなどの建設ラッシュ
熊本・大津町はマンションやホテルなどの建設ラッシュ

ブパトさんは4年前、偶然にもこの地でインド料理店を始めた。ブパトさんは、「大きな工場があるから、インド人もいっぱい勉強に来る。そういうインド人も来るし、台湾のTSMCの人たちもいっぱい来る。今のまま続けたい。(客が)ゆっくり食べて、最後『おいしかった』と言って帰るのが一番うれしい」と語る。

“町の一等地”で味わうインドカレーは、これからも変わらない「地元めし」だ。
(「Mr.サンデー」9月24日放送より)

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