島根・大田市のミュージアム「三瓶自然館サヒメル」の企画展「ときめく鉱物展」の来場者が、開幕から約2カ月で4万人に達した。前年夏に開催された恐竜をテーマにした企画展の4万6,000人に次ぐ盛況ぶりだ。
一方、鳥取・米子市には、鉱物や化石などの「石」を集めた専門店も登場している。なぜか多くの人が引かれる「石」の不思議な魅力を取材した。
人を引きつける「鉱物」の世界
大田市のミュージアム「三瓶自然館サヒメル」の企画展「ときめく鉱物展」。7月の開幕から2カ月で来場者が4万人に達し、記念セレモニーが催された。
この記事の画像(11枚)4万人目の来場者となった家族には、入館無料の「年間パスポート」やマスコットキャラクターのぬいぐるみが贈られた。
「ときめく鉱物展」では、国内外の鉱物約250点が展示されている。目玉の「アメシストドーム」は長さ2.5メートル、重さ2.5トン。その大きさ、迫力に圧倒される。
「サヒメル」では、夏休み期間に合わせて企画展を開催していて、毎年子どもたちで大盛況だ。2022年は子どもたちに人気の「恐竜」がテーマで、約4万6,000人が訪れた。
その人気に引けを取らない「鉱物」の企画展。一見派手さのない「石」に、なぜ多くの人が“ときめき”を感じたのだろうか。
三瓶自然館サヒメル・今井悟学芸員:
最近、人気のゲームに実際の鉱物の特徴を捉えた形で出てきたりだとか、色んな形で鉱物に接したり、楽しんだりする方が増えてきたのかな
化石や水晶が約1万点も…
今や「恐竜」並みの人気という「石」の世界。石だけに、その魅力に“すと~ん”と落ちていくのだろうか。
そのブームを裏付けるように、米子市には、「石」好きにはたまらないユニークな専門店もオープンしていた。
店内に足を踏み入れると、水晶に隕石(いんせき)、そして大きなアンモナイトの化石も。化石、隕石、水晶など約1万点を扱っている。
店長の吉田寛さんは、鉱物好きが高じて、2023年にこのマニアックなお店を始めた。店に並ぶ全ての石を吉田さんが海外から取り寄せたり、現地に行って買い付けたりしている。
「1個買うと止まらないですね。どれも欲しくなっちゃいますね」と楽しそうに話す吉田さんに、店内1万点の石の中から「推し」を紹介してもらった。
ジュラシック!・吉田寛代表:
トップに置いてあるやつ、アメシストですね。
「サヒメル」の企画展でも目玉になっていた「アメシスト」。この店のものは、特に希少性が高いという。
ジュラシック!・吉田寛代表:
金色の鉱物が入っているんです。これが入っていると入っていないのとで値段が非常に違う
“自由な感じ方”で楽しめる魅力
他にも貴重な石がめじろ押しだ。
ジュラシック!・吉田寛代表:
サハラ砂漠に落ちた「NWA隕石」というものです。このNWAですと100グラム1万円くらいからです
さらにこんな“高額商品”も…。
ジュラシック!・吉田寛代表:
これ100万円します。表面が宝石質なんですよね。きれいで人気があるアンモナイトですね
宝石のような色合いが特徴的なアンモナイトの化石。値段はなんと100万円だ。
吉田さんは石の楽しみ方を熱く教えてくれた。
ジュラシック!・吉田寛代表:
見た人が何を思うかは人それぞれだと思うし、きれいだなと思うのか、かっこいいなと思うのか、古代のものを感じて、昔あった景色を想像するのか、感じ方は人それぞれだと思います
地表の下で、人間の歴史をはるかに超える時間をかけて作られた鉱物や化石。人間の力が及ばない、自然が作り出したその美しさや希少さに、私たちは心引かれるのかもしれない。
(TSKさんいん中央テレビ)