長野・塩尻市の廃棄物処理施設の跡地から大量の廃棄物が見つかり、土地を購入した企業が撤去費用など1億7300万円余りを求め、市などを提訴した問題で、市は「市に(売り手が責任を負う)瑕疵担保責任はない」などとして、争う方針だ。

土壌汚染も…市などを提訴

1憶7300万円余りの支払いを求め、塩尻市などを提訴したのはアウトドア用品販売の「エイアンドエフ」。

訴状によると、2022年、塩尻市で商品を保管する倉庫の建設を進めていたところ、地中に大量の廃棄物が埋められていることがわかった。なかには医療廃棄物もあり、土壌汚染も確認されたという。

エイアンドエフの倉庫(長野県塩尻市)
エイアンドエフの倉庫(長野県塩尻市)
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撤去費用など1億7300万円余り求める

ここには、1993年まで塩尻市などのゴミを処理する焼却施設があった。 「エイアンドエフ」は「適正に処理せず埋めて隠し、塩尻市はわかった後も処理を拒否した」などとして、撤去や汚染除去にかかった費用などの支払いを求めている。

長野地方裁判所松本支部
長野地方裁判所松本支部

市は争う方針

一方、市は施設解体後の1994年に民間会社に跡地を売却し、その後、その会社を経由してエイアンドエフに売却されているため「売買契約の当事者ではない」、「市に(売り手が責任を負う)瑕疵担保責任はない」として、争う方針だ。

市は、弁護士費用362万円を盛った本年度一般会計予算案を開会中の市議会9月定例会に提出するとしている。

塩尻市役所
塩尻市役所

(長野放送)

長野放送
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