日常でよく耳にする視覚障害者などに向けた音響信号機の音声。実はこの音声、地域への配慮から早朝や夜間は鳴らさないことが多く、視覚障害者が夜や早朝に安全に横断歩道を渡れる仕組みづくりが必要となっている。こうした課題を解決しようと、秋田県内でスマートフォンを使った新しい交通支援システムが導入され、視覚障害者がその使い心地を確かめた。

視覚障害者がアプリを実際に体験

目の不自由な人たちを支える新しいシステムが、スマートフォンのアプリ「信Go!」だ。

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横断歩道に近づくと、信号が青に変わったことや、まもなく赤に変わることを振動や音声で伝えてくれる。

9月6日、視覚障害者がこのアプリを使って、秋田市の県社会福祉会館前の横断歩道を渡った。導入されたのは「高度化PICS」というシステムで、目の不自由な人や高齢者に、スマートフォンの専用アプリで信号の情報を伝える。

視覚障害者の中には、早朝や夜間に信号機の音声が切られることで、怖い思いをした人がいる。

視覚障害者:
赤信号を知らないで渡っていて、後ろの女性に「赤ですよ、戻ってください」と言われた。システムの導入は非常に助かると思う

視覚障害者:
「この近辺に信号がある」と教えてくれるだけでも助かる

秋田県警 交通規制課・青山孝一交通管制官:
音が無い中で渡るには、利用者は危険がともなうと思う。間違いを無くすため、こうしたシステムを広げていけたらと思う

秋田県内でこのシステムが導入されたのは1カ所だけだが、警察は利用者の意見を聞きながら拡大を図ることにしている。

実際に2018年には、都内で信号機の音が切られている時間帯に、視覚障害者が車にはねられ死亡する事故が起きている。全国でもこうしたシステムの搭載された信号機は、約460機しかなく、システムの整備とともに、いわゆる交通弱者に優しい街づくりを進めていく必要がありそうだ。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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