2023年のインターハイ・レスリング女子62kg級で優勝した小野こなみ選手は島根・松江市出身で、現在は親元を離れて東京の高校で練習に励んでいる。夏休みを利用してふるさとに戻り、原点のレスリングクラブを訪問。恩師や後輩と再会し、世界の舞台で活躍する決意を新たにした。

帰省したら必ずクラブの練習に参加

雲南市にある体育館のマットの上で、子どもたちと一緒にトレーニングに励む小野こなみ選手は松江市出身で、レスリングの名門である東京・日体大桜華高校に進学した。

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2023年7月に、高校2年生ながら北海道で開かれたインターハイ62kg級で優勝した。さらに8月には、トルコ・イスタンブールで開かれた17歳以下の世界選手権に出場し、61kg級で銀メダルに輝くなど、次代を担う注目のアスリートだ。

レスリングクラブの子どもたちに指導する小野選手
レスリングクラブの子どもたちに指導する小野選手

小野選手は、8月に夏休みを利用してふるさとの島根に帰省した。そして、中学時代まで指導を受けていた雲南市のレスリングクラブを訪れ、子どもたちと一緒に汗を流した。

島根から世界の舞台を目指す小野選手のことを後輩たちに聞いてみると「すごい先輩だと思う」「強かった」「教えてもらった技を試合で使いたい」などと口々に返ってきた。

加茂B&Gレスリングクラブ・原恵介コーチ:
帰省したら必ずクラブに来て練習してくれるのでうれしい。目標はあったけど、世界まで行くとは思っていなかったので、クラブとしてもうれしいし、今後が楽しみ

小野こなみ選手:
めっちゃ懐かしい。みんなが頑張っているので、見ていると自分も頑張らなきゃと、逆に刺激をもらっている

兄を追い3歳でレスリングの道へ

10年前、小学生のころの小野選手が松江市役所を訪れ、全国大会優勝を報告した時の映像に一緒に映っているのは、3つ年上の兄・正之助さんだ。

小学生のころの小野選手(左)と兄・正之助さん(右)
小学生のころの小野選手(左)と兄・正之助さん(右)

小野選手は、正之助さんを追って3歳からレスリングを始めた。

他にも貴重な映像が残っていた。約10年前、実家の醤油店のテレビCMに映っていたのは、元気いっぱい、食欲旺盛な看板娘の小野選手だ。

小野こなみ選手:
このマットは小さい時に兄と一緒に練習していた場所です。この辺は履いていた靴です。これ、1番最初の靴かな…

松江市内の実家には、これまで履いてきたシューズや大会で獲得したメダルなど、小野選手の思い出の品が大切に保管されていた。

小野こなみ選手:
久々に帰ってくるとここは良い。小さい時にここで練習していなかったら、今のように強くなれていないし、今までの成績もないと思う

夢は5年後のロス五輪で金メダル

ふるさとは、やはりレスリング人生の原点だ。6年前、小学生のころ「将来は伊調馨選手みたいにオリンピックで4連覇する」と目標を教えてくれた小野選手。今回、改めて聞いてみると…。

小野こなみ選手:
油断していたら負けちゃうので、東京に帰ったらもう一回しっかり練習して、将来の夢はオリンピックで金メダルをとることです

目指すのは5年後・ロサンゼルスオリンピックでの金メダルだ。小さかったレスリング少女は、大きな夢の実現に向けて、一歩一歩、歩みを進めている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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