高知の夏を彩る「よさこい祭り」が2023年、4年ぶりに通常開催される。祭りが近づき、踊り子の練習に熱が入る高知・土佐清水市の人気チームを取材した。

審査員特別賞の受賞経験も よさこいチーム「いなん」

「よさこい祭り」通常開催に向けて各地が盛り上がりを見せる中、4年ぶりに集結した土佐清水市の人気よさこいチーム「いなん」。

土佐清水市のよさこい人気チーム「いなん」
土佐清水市のよさこい人気チーム「いなん」
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踊り子:
もうちょっと練習せんと間に合わんなって思います

踊り子:
情熱と笑顔のチーム

チーム名の「いなん」は、四国の西南部・足摺岬周辺の地域を指す呼び名の「いなん(渭南)」からとられている。

2011年によさこい祭りへ初参加して以来、幡多地域を代表するチームのひとつとして着実にファンを増やし、コロナ禍の前年、2019年には審査員特別賞を受賞した。

コロナ禍、よさこい祭りは中止に…「その価値を再認識した」

踊り子 渭南病院看護部長・竹林高子さん:
一気に職員が半分いなくなったりして。渭南病院は創立100周年ですが、99年目で初めて救急を止めました

渭南病院に勤める踊り子の竹林さんは、コロナ禍を「押し寄せる新型コロナウイルスの脅威に耐えるので必死だった」と振り返り、病院業務のあまりの忙しさに、細かい記憶がないほどだと打ち明けた。

踊り子を指導するインストラクターの山下翼さんは、よさこい祭りが中止に追い込まれた2020年を、こう振り返った。

いなん インストラクター・渭南病院 理学療法士 山下翼さん:
よさこい祭りをやることって、すごくエネルギーがいる。2020年に中止になるって聞いて、どこかホッとしているような自分もいた

よさこいチームの運営に携わりながら、公私ともに忙しい毎日を送っていた山下さん。コロナによる祭りの中止で「ホッとした」という反面、コロナ禍は、彼の心に“ある変化”をもたらしたという。

いなん インストラクター・渭南病院 理学療法士 山下翼さん:
2022年の特別演舞を見て、あそこに至るまでの、祭りを運営する側の、商店街や地域の皆さん、スタッフさん、踊り子さんの気持ちを考えた時に、すごく熱いものが自分の中にありました

山下さんにとってコロナ禍は、地域におけるよさこいの価値を再認識する“充電期間”だったともいえるようだ。

踊り子 渭南病院看護部長・竹林高子さん:
よさこいだけじゃなくて、仕事の面でも私生活の面でも、みんなそれぞれ、この4年間に意味があったんだなっていうことを感じる夏じゃないかなと思います

発足以来最多 145人の踊り子が舞う

この日、体育館に本番の衣裳を身につけた踊り子たちが集まった。踊り子たちと、大阪から招かれた振付師のMASAKOさんが直接顔を合わせるのは、これが初めて。

2011年の発足以来最多という、145人の踊り子が集まった2023年の「いなん」。スタッフの多くが、踊り子の熱意を感じると話す。

振付師・MASAKOさん:
今までで一番大人数が集まってくださったって聞いて、そこがまずうれしかった。私が伝えると返ってくる。踊りでみんなが表現して返してくれるっていうところが、本当に感動的ですね

下は6歳から、上は60代までの踊り子たち。土佐清水市から、地域の思いを込めて…。
4年ぶりのよさこい祭りは8月9日の前夜祭で幕を明け、10日・11日に本番、12日に後夜祭が行われる。

(高知さんさんテレビ)

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