新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられ、全ての病院で入院患者を受け入れることになった中、岩手・八幡平市の病院で患者を安全に受け入れる手順を確認する訓練が行われた。
コロナ増加傾向…入院受け入れ訓練
岩手県と全国の1医療機関当たりの新型コロナウイルス患者数の推移を見ると、最新の数字は岩手県が6.73人、全国が9.14人で、緩やかではあるが増加傾向がみられる。
その中、7月13日、八幡平市の東八幡平病院で新型コロナウイルス患者の受け入れ訓練が行われた。

東八幡平病院 下野広美看護部長:
(患者には)車で来ていただいて車を(入り口に)着けていただきます。「到着しました」という電話連絡があったら、外来看護師が迎えに行きます
この日は90代の男性に新型コロナウイルス感染の疑いがあり、事前に電話連絡を受けたとの想定で、受診から入院までの対応を確認した。

5類移行で全病院が入院患者受け入れに
地域の基幹病院である県立中央病院の呼びかけで行われたこの訓練には、近隣から9つの医療機関のスタッフが見学に訪れた。
新型コロナウイルス患者の入院を受け入れる病院は、以前まで県内では29カ所(院内感染除く)に限られていたが、5月の5類移行後は原則全ての病院で受け入れることになっている。東八幡平病院も新たに受け入れを始めた病院の一つだ。
感染拡大防ぐ徹底した管理を
感染を拡大させないよう、病室に患者を運ぶまでにも厳重な管理を行う。
何度も出入りしないよう、ベッドの準備ができるまで患者は診察室で待機してもらい、診察室から病棟まではできるだけ建物の外を通る動線としている。

また、病棟への移動には通常は稼働していないエレベーターを使う。
病室は一般病棟の端の部屋をビニールカーテンや赤いラインで区切って、新型コロナウイルス患者用に仕立てる。その病室にはウイルスを広げないよう、空気を吸い込むパーティションを設置、スタッフの防護具は病室で脱いでから外に出るなどの手順も決めている。

訓練を見学した雫石町の病院の医師:
イメージしているだけだと実際との乖離(かいり)があるので、動いてみることの大切さをすごくきょうは考えさせられました
東八幡平病院 下野広美看護部長:
(一番のポイントは)やはり個人のPPE(防護具)の着脱です。個人の感染防御ができれば大丈夫です。どの病院も新型コロナの患者さんを受け入れなければならない状況になりました。患者を受けることが私たちの使命ですから、みんなで心をそろえていくことが大事だと思います
県立中央病院 福田祐子特任看護師:
訓練は少し落ち着いている時でないとむしろできないので、今のうちに実施して拡大に備えることが大事だと思います

陰圧装置などの専門の設備がない病院で安全に患者を受け入れるために、参加者は訓練の大切さを再認識していた。
(岩手めんこいテレビ)