7月10日に九州を襲った記録的大雨。

佐賀県唐津市では10日、住宅2棟が土砂にのみ込まれ、70代の女性が死亡しました。

70代と50代の男性2人の行方がわからなくなっていましたが、11日に河口付近で1人の遺体を発見。行方不明となっていた70代の男性と確認されました。

土砂崩れが起きた現場を訪れると、流木が散乱して草木はなぎ倒され、川が濁流となって流れています。

いまだに色濃く残る、土砂崩れの爪痕。

亡くなった70代の女性と同じ地区で、長年の付き合いがあった今坂地区区長の筒井高宏さんは、女性の自宅であるものを見つけたと話します。

今坂地区区長 筒井高宏さん:
(亡くなった女性は)明るい方でした。トマトを作って多分、夜なべしてシールとか貼って。寝ていて災害にあったと…。

残されていたのは、農業を営んでいたという女性が毎日、市場などで販売していた「トマト」。常に気配りする人だったという女性は、日頃から親しい人たちに「お裾分け」をしていたといいます。

今坂地区区長 筒井高宏さん:
家とか捜索の時に、見に行ったりしたらトマトがあるって。そのままにしていたら…誰もおらんけんですね。腐ってしまうのでみんなで分けて…。

見つけたトマトは、みんなで分けて食べるといいます。

今坂地区区長 筒井高宏さん:
涙が出ましたね…涙がでるよ。…大変だったですよね。

7人の命を奪った九州北部の記録的豪雨。今も捜索や復旧作業が続いています。
(「めざまし8」7月12日放送)