夏の甲子園への切符をかけた全国高校野球選手権・秋田大会が、7月7日に開幕する。注目校は、2018年夏の甲子園準優勝校で、5年ぶりの甲子園を目指す金足農業だ。5年前に“金農旋風”を巻き起こした立役者と選手が一体となり、練習への意識が変わったチームが夏の主役を狙う。

5年前の“金農旋風”の立役者がコーチに

春夏通算9度の甲子園出場を誇る秋田市の金足農業高校。

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金足農業といえば、2018年の夏の甲子園でエース・吉田輝星投手を擁して全国の強豪を次々と破る快進撃を見せ、秋田県勢103年ぶりの準優勝を果たした。

しかしそれ以降、甲子園の舞台から遠ざかり、チームは5年ぶりの出場への切符を狙っている。そんなチームにことし、新たな指導者が加わり、選手を刺激している。

5年前の「金農旋風」の立役者の一人・高橋佑輔さん。4月に母校に赴任し、畜産などの教師を務めながら、野球部のコーチとして後輩に熱心に指導している。

金足農業高校 コーチ・高橋佑輔さん:
(県勢で)103年ぶりに甲子園準優勝をすることができて、自分自身その経験からたくさんのことを学んだし、その経験を交えながら授業していけば、秋田が活性化していくのではと思ったところが一番大きい

5年前の夏の甲子園では、6番・ファーストとして1回戦から決勝戦まですべての試合に出場した高橋さん。中でも印象的なのは、神奈川代表・横浜と対戦した3回戦だ。

4対2と2点ビハインドの8回、ランナー2人を置いて打席に立った高橋さん。振り抜いた打球は、センターバックスクリーンへの逆転3ランホームラン。高校生活最初で最後のホームランが、チームを救う一打となった。

金足農業高校 コーチ・高橋佑輔さん:
あのホームランは、最後の最後まで努力をすることで、どこかでチャンスをものにできると思うし、そこで人生が変わると思うので、その一瞬のチャンスをいかにつかみ取れるか。そのために準備を怠るな、というふうに指導していきたい

“最初の一歩”を大事に…

高橋さんが伝えるのは「練習に向かう準備と努力」だ。指導を受ける選手の意識は、着実に変わっていった。

金足農業高校・吉田元人主将:
特に変わったと思うのは、ノックの一球目を大事にしていて、そういったところも試合さながらの緊張感でできていると思う

どんな練習でも最初の一歩を大事にしてきたことで、その後の「つながり」が生まれてきた。

個人個人の役割を大切に手堅く1点を取るのはもちろん、メンバー全員が長打を打てるのも強みだ。

そして守りでは、タイプの違う投手陣の継投で相手に的を絞らせない。中心は3年生・太田遥輝投手だ。落ち着いたマウンドさばきで監督からの信頼も厚く、変化球を中心にピッチングを組み立てる。

キャプテンの吉田元人投手は、制球力を武器に打たせて取り、チームにリズムを与える。

チームスローガンは、おなじみ「雑草軍団」だ。古豪復活へチーム一丸で勝利を目指す。

金足農業高校・吉田元人主将:
まずは目の前の一戦一戦をしっかり大事に戦って、冬から鍛え上げてきたバッティングや堅いセンターラインを中心とした守りを軸にして、勝ち上がっていきたい

金足農業の初戦は7月9日、能代市の山田久志サブマリンスタジアムで第4シードの秋田中央と戦う。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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