秋田県内のサクランボの一大産地・湯沢市三関地区で、佐藤錦の収穫が始まった。実りが多い一方で、生産者が高齢化し「担い手の確保」という課題が浮かび上がっている。そこで湯沢市が新たに打ち出した策が、仕事を限定して職員の兼業を認める制度だ。地区の特産品を次の世代につなぐため、市の職員が農業との二足のわらじを履き、サクランボの収穫にあたっている。

人手不足解消に向けた新たな策

午前5時過ぎ、早朝の果樹園でサクランボを収穫するのは、湯沢市の職員だ。農家からコツを教わりながら丁寧に作業を進めていた。湯沢市は、2023年度から規定を見直し、公務員である職員の「兼業」を一部認めている。農業の担い手の確保や地域のにぎわい創出を担う人材を育てることが狙いだ。

サクランボの収穫を行う湯沢市の職員
サクランボの収穫を行う湯沢市の職員
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今回、サクランボの収穫には約10人が参加を表明した。15日は、2人の職員が果樹園を訪れたが、作業は初体験だという。悪戦苦闘しながら一生懸命収穫していた。

悪戦苦闘しながらも…たくさんのサクランボを収穫
悪戦苦闘しながらも…たくさんのサクランボを収穫

「農家」として働くのは、平日は市職員の勤務時間外となる午前5時から午前7時までの2時間。初めての作業に、職員たちは何を感じたのだろうか。

サクランボの収穫を行う佐藤さん
サクランボの収穫を行う佐藤さん

湯沢市教育委員会 生涯学習課・佐藤樹さん:
商品として扱うので、茎の部分が折れないように、実を触らないようになど気を付けることが多くて、繊細な作業だと思った

サクランボの収穫を行う高橋さん
サクランボの収穫を行う高橋さん

湯沢市 商工課・高橋裕大さん:
人手不足という課題があるが、自分で体を動かして、自ら課題解消に貢献できたらという思いで参加した

コツを教わりながら収穫
コツを教わりながら収穫

JAこまち桜桃部会・高橋信治 部会長:
「やってみる」と手を挙げてくれたことがうれしい。作業面でも、みんなで関わっていければ助かるし、今後につながる

農業の人手不足解消の切り札となるか。市と農家がタッグを組んだ取り組みの今後に注目だ。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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