福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、設備の検査を行っていた原子力規制委員会は、合格を示す「終了証」を7日に交付する方針を示した。

原子力規制委員会はこれまで、放出設備の設置工事、運用などについて、使用前検査や保安検査を行っていて、5日の定例会合で、一連の検査が6月30日に終了したことを報告した。

使用前検査については、「特段の問題点は確認されなかった」として、東京電力に対して、7日に合格を示す「終了証」を交付する方針を示した。

保安検査でも、海洋放出に関する実施計画に基づいて、組織体制や運転手順などが適切に整備されていることを確認したとして、「実施計画が順守されていると認められる」と結論づけた。

終了証が交付されれば、放出に向けた設備の準備が整うことになるが、地元漁業関係者などは一貫して反対の姿勢を示している。

処理水の海洋放出をめぐっては、政府の要請を受けて安全性についての検証を行っていたIAEA=国際原子力機関が、4日に「国際的な安全基準に適合する」と結論づける包括報告書を公表している。

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