2度にわたって線状降水帯が発生した熊本県内では一夜明け、大雨の爪痕が明らかになってきた。被害に遭った地域では復旧作業が始まっている。そうした中、県内では5日にかけて再び激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる恐れがある。

一夜明け鮮明になる大雨の爪痕

益城町では7月3日の大雨で木山川と岩戸川が氾濫し、県道の一部が崩落するなど大きな被害が出た。県道が崩落した現場では、4日午前8時から重機を使っての復旧作業が行われている。

復旧作業の様子(熊本・益城町)
復旧作業の様子(熊本・益城町)
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近所の住民:
こんなに長い区間で崩れているとは思わなかった

また、川の水が流れ込んだ田んぼでは、農家が片付けに追われていた。

「土砂積もった田んぼは休田に…」嘆く男性
「土砂積もった田んぼは休田に…」嘆く男性

農家:
40~50年農家をしているが、こんなことは初めて。土砂が積もった田んぼは、ことしは休田でしょうね、もう苗もないから

早速駆けつけたボランティアの姿も

一方、裏山の土砂崩れで本堂が倒壊した浄恩寺では、ボランティアの人たちが5日の雨に備え、土のうを作るなど作業を行っていた。

本堂倒壊の浄恩寺にはボランティアの姿が
本堂倒壊の浄恩寺にはボランティアの姿が

合志市からのボランティア:
大事にされている建物だと思うので言葉で表せないような衝撃だった。できることがあればと思い、微力ながら手伝っている

阿蘇市からのボランティア:
明日が雨っぽいので、水の流れる道を作っている。前もってやっておくと違うかなと

浄恩寺・玉春勇樹住職
浄恩寺・玉春勇樹住職

浄恩寺・玉春勇樹住職:
たくさんの方に手伝いに来ていただいて心強い。門徒の方や近所の方、ニュースを見て遠方から駆けつけてくださった方もいて、たくさん力が集まっているなと感じる

熊本県によると、今回の大雨では床上浸水が16件など、住宅への被害が合わせて52件確認されている。

自宅が浸水…水位示す
自宅が浸水…水位示す

住宅が被災した住民:
(自身の腰の高さを示し)ここまで水が来た。もう全部びしょびしょ。どうすればいいか分からん

「とにかく不便」 崩落した金内橋

また山都町では、御船川の増水によって国道に架かる金内橋が崩落。

崩落した金内橋(熊本・山都町)
崩落した金内橋(熊本・山都町)

4日は熊本県の職員が橋の様子を確認していた。

橋を利用する人:
とにかく不便。これだけインフラがやられたら生活が成り立たなくなる

また、八代市泉町久連子では林道脇の斜面が崩れ、6世帯10人が孤立状態となっている。道路の復旧には3日程度かかる見込みだが、この集落には徒歩で行き来ができ、水と食料も1週間分は確保されているという。

再び大雨の恐れ…土砂災害に厳重警戒

熊本県内では、4日夜から5日にかけて再び激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる恐れがある。3日までの雨で地盤が緩んでいるため、土砂災害に厳重な警戒が必要となる。

5日は低気圧が日本海を進み、そこから延びる前線が九州北部地方を南下する見込み。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となるもよう。

このため熊本県内は4日夜遅くから5日の夕方にかけて、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降る見込み。予想される雨の量は、いずれも多い所で1時間に70mm、5日夕方までの24時間に200mmと予想されている。

熊本県内では、3日までの大雨で地盤が緩んでいて、今後の雨で土砂災害の危険度がさらに高くなる見込みだ。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水河川の増水・氾濫に警戒が必要となる。

(テレビ熊本)

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