日頃の不摂生の言い訳として、夜のランニングを趣味としているが、先日、幸運にも滅多に見ることが出来ない瞬間に遭遇した。
場所は東京・池袋駅からほど近い住宅街の路上。トコトコ歩く1羽のカルガモを、3人の警察官が1メートルほど離れて見守っている。カルガモの揺れるお尻がかわいい。時刻は午後9時半。住宅街ではあるが、幹線道路である明治通りへの抜け道でもあり、車や自転車が頻繁に通る。そんな場所になぜかカルガモがいるのを見つけた人が、カルガモを守るため警察に通報し、警視庁池袋署員が駆けつけたのだ。
カルガモが事故に遭わないよう、カルガモを見守る3人の警察官。1人は捕獲用の網を持っている。ただ、手を触れることはない。野生動物であるカルガモにむやみに触れることは、鳥獣保護法で禁じられているためだ。
発見場所から北西に200メートルほど歩いた時、カルガモのすぐそばを車が通った。その瞬間、カルガモが突然飛び立ち、南東方向の夜空に飛び去っていった。「飛べるんだ……だったらなんで危険な道路を歩いていたんだろう」という疑問を抱きつつ、私も警察官と一緒にカルガモを追ったが、見失ってしまった。「元気そうで良かったです」。そう話し、現場を去って行く若い警察官の笑顔がまぶしかった。
「道路を歩くカルガモを守る警察官」というのは、オモシロ映像の定番でもある。こうした動画が動画投稿サイトにアップされると、最近は海外から「日本の平和な空気」や「親切な警察官」に驚く声が多数寄せられる。日本のイメージアップにも貢献している。小さな命を大切にする警察官の地道な頑張りに敬意を表する。お疲れ様でした。
(フジテレビ経済部デスク 渡邊康弘)