今や日本人の国民食ともいえるラーメンにピンチが?

“背脂チャッチャ系”と呼ばれるこってりとしたラーメンに欠かせない背脂が、かつてないほど不足しているという。

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東京・五反田に本店がある、背脂をふんだんに使うことで人気のラーメン店「らーめん平太周 味庵」。

醤油ベースのタレを入れた器に、柄が見えなくなるほどの背脂をかけ、モチモチの麺と勢いよく絡める。

チャーシューや味玉といった具材をのせ、一晩じっくり煮込んだ熱々のとんこつスープを加えると…仕上げに2回目の“背脂チャッチャ”。

店自慢の、こってり濃厚な豚骨醤油スープのラーメンが完成した。

男性客(50代):
美味しいですよ。濃い目でしっかり脂が入ってるところが食べたくなります。

男性客(20代):
背脂系のラーメンが好きで、最近ここのラーメンが食べたくなっちゃったんで(同僚を)誘って来ました。(背脂がないと)なんか物足りないかなって感じちゃうかもしれないです。

こちらの店では、一杯のラーメンに使う背脂は100g以上。
その背脂が、高騰しているという。

らーめん平太周 味庵 五反田本店・多畑志朗代表:
それ(背脂)に合わせたスープ等の配合になってますから、背脂が最後に入って美味しく食べられる。ないともう食べれないぐらいの違いになっちゃいますから。

10年、20年前は1kgで言うと100円前後だったものが、コロナ前に約200円になりまして、今は約400円。まさに4倍ですね。

さらに、背脂以外の材料も軒並み値上がりしている。

去年の同じ月に比べ、中華麺は10.5%、ラーメンの花形・チャーシューに使われている豚肉は10.3%の値上がり。トッピングに欠かせない卵にいたっては、35.6%もの値上がりだという。

味の決め手となる背脂の価格上昇の理由を、精肉店に聞くと…

お肉のマルイチ・関口雅文さん:
ロシアとウクライナの戦争もあるんじゃないかなと思いますけれども、(輸入物から)国内物にシフトしちゃって、入荷がすごく少なくなってきている。


ラーメン業界にも押し寄せる、値上げの波。
もはやギリギリの状況と言えそうだ。

(「イット!」6月23日放送分より)