捜索活動が続いていた「タイタニック号」の見学ツアー用の潜水艇について、アメリカ沿岸警備隊は日本時間23日早朝の会見で、海底で破片が見つかったとして、乗っていた5人が死亡したことを明らかにした。
5人全員の死亡に至った今回の事故が、どのような経緯で起きたのか、全米の注目が集まっている。

ウォールストリート・ジャーナルは22日、「アメリカ海軍が、18日に潜水艇が消息を絶った直後にモニタリングを開始し、現場海域で破壊音を感知していた」と報じた。

沿岸警備隊は残骸の散乱状況から、潜水艇がタイタニック号には衝突せず、海底に到着する前に水圧で内側につぶれたとの見方を示しているほか、捜索中はソナーなどで破壊音が感知されていないことから、消息を絶って間もなく事故が起きたとの見方が広がっている。

今後、ツアーを行った会社側の責任がどのように問われるのかも注目されている。
家族や友人「深い悲しみ」 操縦士の妻は“タイタニック”犠牲者の子孫
悲劇的な結末に、乗っていた5人の家族や友人から、悲しみの声が寄せられている。

潜水艇に乗っていたフランスの海洋学者・ナルジョレ氏の友人は、“とても寛容で素晴らしい人物だった”と突然の別れを悲しんでいる。

フランスの海洋学者・ナルジョレ氏の友人:
彼らが苦しまなかったのであれば、せめてもの救いだ。

イギリス人富豪のハーディング氏の家族は、「素晴らしい父親であり夫だった。深い悲しみに包まれている」との声明を出した。

パキスタン出身で資産家のダウード氏とその息子の親族は、捜索活動に関して「心より感謝する」とのコメントを表明。

操縦士・ラッシュ氏の妻は、111年前に沈没したタイタニック号の乗客で犠牲となった夫婦の子孫だったという。

欧米メディアは、“タイタニックの新たな犠牲者 深海に消える”などと一面で報じている。

(「Live News days」6月23日放送より)