天皇皇后両陛下が25年ぶりにそろって石川を訪問された。目的は、国民文化祭と全国障害者芸術文化祭をあわせた「いしかわ百万石文化祭」の開会式に出席するため。沿道にはご夫妻を歓迎しようと約2万1000人の県民が埋め尽くすほどのにぎわい。一泊二日の天皇皇后両陛下に密着した。
25年ぶりにご夫妻そろっての来県
この記事の画像(46枚)2023年10月15日正午過ぎ。待ちに待った飛行機が小松空港に着陸した。
リポート:
いま、小松空港に、天皇皇后両陛下を乗せた特別機が到着しました。予定より1時間半遅れての到着となりました。
当初は午前中に到着される予定だった天皇皇后両陛下。羽田空港の離陸直前に、機体にトラブルが見つかったため急きょ予備機に乗り換えるハプニングがあったためだ。1時間半の遅れにはなったが、25年ぶりに両陛下そろっての石川来県が実現した。
向山アナウンサー:
出迎えた馳知事とにこやかにあいさつを交わされています。
馳知事:
首を長くしてまっておりました。
沿道には、両陛下の姿を一目見ようと大勢の県民が集まっていた。
沿道の人:
スマホで撮るより生!
沿道の人:
雅子さまがきれいでした。
リポート:
天皇皇后両陛下が、開会式の会場、いしかわ総合スポーツセンターに到着されました。
小松空港到着時とは違って、天皇陛下は秋らしいイエローのネクタイを着け、そして皇后さまも華やかなイエローのスーツと式典向けの装いに…そして、「いしかわ百万石文化祭」の開会式に出席された。
天皇陛下おことば:
地域に息づく伝統や文化の良さを再認識する機会となり、文化芸術活動の裾野を広げ、新たな文化の創造につながっていくことを期待しています。
国内最大の文化の祭典、いしかわ百万石文化祭がついに開幕した。
野村萬斎さんが総合ディレクター
両陛下は、続いて狂言師・野村萬斎(のむら まんさい)さんが総合ディレクターを務めたオープニングステージを鑑賞。
ステージでは、石川の伝統文化が過去から現代、そして未来へと受け継がれる様子を歌や演奏、踊りでたどる。
進行役は宝達志水町(ほうだつしみずちょう)出身の声優・寺島拓篤(てらしま たくま)さんと、金沢市出身のブロードウェイ俳優・由水南(ゆうすい みなみ)さんが務めた。
ステージには県内の10団体約230人が出演し、各地に伝わる伝統芸能が次々と披露された。
戦国時代のパートでは能楽師・渡邊荀之助(わたなべ じゅんのすけ)さん扮する前田利家が登場。
前田利家公役の渡邊さん:
文化で天下を取る~
そして流れてきたのは、金沢市出身の中田ヤスタカさんが作詞作曲した「新時代」
そして、1時間に渡るオープニングステージのフィナーレに登場したのは…
野村萬斎さんだ。
野村萬斎さんは、ラヴェルのボレロにあわせて舞を披露した。
オーケストラ・アンサンブル金沢の初代音楽監督・岩城宏之(いわき ひろゆき)さんの指揮でこの曲を演奏された経験があると言う天皇陛下。金沢の地で聞くボレロに感慨深い様子だったそうだ。
ステージには県内の様々な文化の担い手が一堂に。
まさに今大会のキャッチフレーズ「文化絢爛(ぶんかけんらん)」となった。
式のあとに設けられた両陛下と出演者の交流の時間。御陣乗太鼓の演奏を披露した大宮正晴(おおみや まさはる)さんは…
御陣乗太鼓を疲労した大宮正晴さん:
皇后陛下からは、面をかぶっていて暑くないんですかと心配していただき、大丈夫ですと。柔らかく話していただけて楽しく話させていただきました。
2日目は石川が誇る図書館を訪問
向山アナウンサー:
まもなく両陛下が通られる沿道です。道の両脇には多くの県民が詰めかけています。
金沢市内のホテルに宿泊された両陛下。
2日目の最初に訪問されたのは、石川県立音楽堂。ここでは、全国で障害のある人が制作した作品の展覧会が開かれていて、両陛下は絵画や焼き物などのアートを鑑賞された。そして、県内でイラストレーターとして活躍する男性と交流された。
松元伸之介さんの母・聖子さん:
下書きなしで描いていますとお伝えしたら、皇后さまが大変驚かれていました。動物の表情がみんなかわいいねと仰いました。
伸之介さん:
(それを聞いて)嬉しかったです。
続いて両陛下は、内の特別支援学校の生徒が小さな和傘を装飾するワークショップの様子もご覧になった。
県立明和特別支援学校3年 小熊早紀子さん:
(皇后さまに)カニの手の部分がかわいいねと言われました。ものすごく緊張したけれど、お話ができてよかったです。
リポート:
天皇皇后両陛下が最後の視察先となる、石川県立図書館に到着されました。
円形劇場のような空間が広がる石川県立図書館を視察された両陛下。ここでは、図書館の説明を受けたあと、いしかわ百万石文化祭の一環として11月に本番を迎える、朗読劇の練習の様子を視察された。
朗読劇に参加するのは、地元の高校生。両陛下と会話した生徒は…
県立工業高校 相馬伊吹さん:
声が通っていた、良かったという感想をいただけたので、本当に今まで頑張ってよかったと思いました。まだ終わりじゃないので、これからの励みにその言葉を受け止めて頑張りたいなと思いました。
一連の日程を終え、両陛下は午後6時すぎ、羽田空港に向かう特別機で帰路に就かれた。石川県によると、沿道で両陛下を歓迎したのは2万1598人だったと言う。
(石川テレビ)