2022年8月の記録的な大雨で被災し、運休が続いている米坂線。JR東日本は、その復旧費用について、約86億円に上る試算を示した。

新潟県の花角知事は、JR東日本側から復旧費用などの説明があったことを明かした上で「基本的にはJRで復旧してほしい」と話した。

「米坂線」 復旧費用は約86億円と試算

新潟県村上市と山形県米沢市を結ぶ米坂線は2022年8月の記録的な大雨で被災し、坂町駅~今泉駅間で現在も運休が続いている。

運休続く米坂線(2022年8月)
運休続く米坂線(2022年8月)
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JR東日本は、米坂線の復旧について「工事期間は5年・復旧費用は86億円に上る」との試算を示し、沿線自治体への説明を進めている。

新潟県の花角知事は5月31日の会見で、JR側から復旧費用などについて事務レベルで説明があったことを明かした。

花角知事:
基本的には、JRさんが1年近く調査した結果の数字。それはそれで受け止めざるを得ないのだと思う

新潟県 花角知事
新潟県 花角知事

赤字路線も…必要性を強調

一方で、JR東日本が公表したデータで、2021年度の米坂線の収支は約19億円の赤字となっている。それでも、花角知事はその必要性を強調した。

花角知事:
地域住民にとって必要な、特に高校生の通学で利用されている大事な生活路線。また、同時に山形県とつないで、そこからさらに太平洋側にもつながっていく広域的な鉄道のネットワークの一部を構成する大切な鉄道路線というふうに理解をしている

復旧する場合、その費用負担についてもJR側と自治体側で協議されることになるが、花角知事は「基本的にはJR側で復旧してもらいたい」と話した。

花角知事:
おそらく、議論をつめていけば「設備をこういうふうに工夫ができないか」とか、そういうことは断続的に続くと思うが、基本的なそうした所要額を全体として「さあ、どうしましょうか」という議論になっていくと思う。まずは、JRさんによって災害復旧を進めてもらいたい

花角知事は、「鉄道としての復旧が原則」とし、国の補助制度や支援制度の有無も踏まえ、山形県などとも連携していく考えだ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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