100年にも及ぶ歴史を持つ福岡・北九州市小倉北区の旦過市場。"市民の台所"を襲った大規模火災。再整備が進む市場で商店主たちは、それぞれの節目を迎えようとしている。

1年に2度に大規模火災に見舞われた市場

4年前の2022年4月19日。旦過市場の一角からあがった火の手-。火は瞬く間に燃え広がり、古い木造の店舗が密集した市場を飲み込んだ。

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鎮火まで3日近くを要した火災は、42の店舗が焼損し、被災した一帯には黒い焼け跡だけが、不気味に残った。

さらにその4ヶ月後の8月10日。市場は2度目の大火に見舞われる。

被災した店舗は、2度の火災で合わせて87軒にのぼり、移転や廃業を余儀なくされた店も少なくなかった。

2度の火災を経験した旦過市場では現在、安心で安全な市場を目指して老朽化対策と傍を流れる神嶽川の浸水対策と合わせた北九州市の再整備事業が進んでいる。

再整備の要となるのが4階建ての新たな商業施設。1階部分に市場の商店など約40店舗が入り、2階は飲食フロア、3階、4階と屋上は駐車場になる予定だ。市は現在、2階から上のフロアを運営する民間の事業者を公募していて、年度内の開業を目指している。

「次の100年」に向けて進む市場の再整備だが、火災から4年を経た商店主たちの思いは、さまざまだ。

「もう忘れてしもうちょうよ」

「4年?もうそんななるかね。もう忘れてしもうちょうよ。終わりよこれで…、来年の3月」と指を数えるのは『戸根食肉』の松田角二さんだ。

戸根食肉店は、旦過市場で70年以上続いてきた精肉店。新しい商業施設には入らず、来年の3月で閉店することを決めている。

『戸根食肉』の松田さんは「向こう(新商業施設)入って、したらいいやないかとかいってね。そうはいかんよね、もうやっぱトシよ。どんどん来てもらってね、いま以上に賑やかになることを期待しとるよ!」と話す。

得意客も多い老舗だが、長年、商ってきた旦過への思いは次の世代に託した。

「マイナスに考えてもしょうがない」

一方で「もう、おばちゃんたちも再整備にずっと反対してきたけどね、もうしょうがない。お客が増えると思うよ。増えること期待しないと、マイナスに考えてもしょうがない」と話すのは『フルーツショップ八木』の八木和子さんだ。

再整備に伴って仮設店舗に移った青果店は、悩んだ末に新しい商業施設に入ることを決断した。この先も営業を続けながら事業の行方を最も近い場所で見守るつもりだ。

『フルーツショップ八木』の八木さんは「どんなんができるかな、ちゃんと見届けてからやねと思ってる。旦過という名前をね、やっぱり大事にしたいよ。頑張るからね、応援して下さい」と決意を口にする。

旦過市場を見舞った大規模火災から4年。安全と安心を目指す再整備事業が進むなか、商店主たちはそれぞれの決断を胸に"大きな節目"を迎えようとしている。

(テレビ西日本)

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