転職が当たり前の時代と言われているが、転職をしたことで、自分に向いている仕事に就くことができているのだろうか?

株式会社ACILが運営するキャリア・転職情報メディア「ポジサラ」は5月7日〜8日、全国の20代以上の男女100人を対象にインターネットで、「自分に向いている仕事に就くまでにかかった転職回数」をテーマとしたアンケート調査を実施し、結果を10日に発表した。

調査によると、最も多かったのは転職回数「2回」で29人、2番目に多かったのは「3回」で27人だった。

自分に向いてる仕事に就くまでにかかった転職回数は?(提供:株式会社ACIL)
自分に向いてる仕事に就くまでにかかった転職回数は?(提供:株式会社ACIL)
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「2回」という回答については、「1度目の転職で、転職を初めて経験し、自己理解が深まり、2度目の転職で向いている仕事に就けたという意見が多かった」としている。

また、「3回」という回答は、30代以上の回答が目立った。

3番目に多かったのは「0回」。つまり、1度の就職で自分に向いている仕事に就けたと回答した人だが、これは17人で、全体の約2割となった。これについては、「アルバイト経由で『向いている』と直感し、そのまま入社した方や、就活時にかなり入念に下調べと自己分析を行った上で入社した方は、転職せずとも向いてる仕事に就けている傾向にあります」としている。

4番目に多かったのは「1回」で13人だった。

一方で、向いている仕事に就くまで4回以上の転職回数を経験した人は14人(「4回」10人、「5回以上」4人)となり、かなりの回数の転職を経験した人も一定数いることが分かった。

「4回」という回答については、「他己分析で他人からおすすめを聞いてみたり、色んな仕事を経験して向いてる仕事が見えてきたという意見がありました」としている。

この調査では、転職回数が「2回」もしくは「3回」と回答した人の割合が多かったわけだが、この理由としてはどのようなことが考えられるのか?

また、転職「0回」もしくは「1回」で、自分が向いている“仕事=天職”に就くためには、どうすればいいのか?


株式会社ACILの担当者に“天職に就くためにやるべきこと”を聞いた。

「とりあえず2回以上転職すればいい」ということではない

――このような調査を行った理由は?

「ポジサラ」という転職メディア経由で、読者様からご相談をいただくにあたり、向いていない仕事に就いて苦労しているものの、なかなか、転職の一歩を踏み出せていない人が多いことに気が付きました。

逆に、短期的に転職を繰り返してしまう人の傾向として、適職を事前に把握しきれておらず、転職エージェントから求人を紹介される通りに応募してしまい、結果的に仕事のギャップを感じたり、仕事の相性が合わず、短期離職を繰り返す人が多いことを認知しております。

よって、向いている仕事に、今現在、就いている人がどのぐらいの転職回数を経験したのかを調査したいと思い、今回の調査を実施しました。


――今回の調査結果、どのように受け止めている?

「とりあえず2回以上転職すればいい」ということではなく、普段から自己理解を深める自助努力や応募前の入念な企業研究が必要だと感じています。

「0回」と回答した、就職した時から適職に就けた人の意見の多くは、仕事を入念に下調べして、自分の向いている仕事や、やりたい仕事を丁寧に分析しています。

結果的に、その仕事が向いていなくても、自助努力した自己理解は決して無駄にならず、むしろ、さらに深まり、次の転職で向いている仕事に就ける可能性は高まると考えています。

「動詞」で考えることが大事

――「2回」もしくは「3回」と回答した人の割合が多かった理由としては、どのようなことが考えられる?

「好き嫌いは経験してみないと分からない」と言えると思います。

転職回数を「2回」「3回」と答えた人は、「とりあえず興味がある仕事はやってみる」スタンスの人が多かったように見受けられます。日本において、転職回数が2回以上の人は、一般的に転職回数が多いタイプに入ると思います。

何事も臆せずにやってみて、失敗しても向いている仕事を探し続けられる人が、2回目、3回目の転職で向いていると思える仕事を見つけられていると考えます。

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――転職「0回」もしくは「1回」で天職に就くためにはどうすればいい?

やはり、普段から自己理解を深める努力が必要だと思います。就活生は、これまでの学生時代を振り返って、やりがいのあった瞬間や楽しかった充実した思い出を振り返って、自分が何をしていたのか、「動詞」で考えることが大事です。

社会人も同様に、“営業”であれば“営業”という「名詞」で考えるのではなく、業務フローを細かく分けて、どの業務が自分は好きなのか、得意なのかを「動詞」で考えると、向いている仕事をイメージしやすいと考えます。

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この調査のポイントは「とりあえず2回以上 転職すればいい」と受け止めないこと。そして、天職に就くためには、普段から自己理解を深める努力が必要で、どの業務が好きなのか、得意なのかを「動詞」で考えることが大事ということだった。まだ、天職に就けていないという人は“業務を動詞で考える”を実践してみてほしい。

出典:ポジサラ(https://pojisara.com/

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。