4月、仙台市で「猛毒のヘビが逃げた」などと語り、不審な男が訪問する事案が相次いだ。言葉巧みに家に上がりこむ手口とは。実際に訪問を受けたという女性を取材した。

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「人を食べる蛇が逃げた」家に入ろうとする男

不審な男の訪問を受けた女性:
「『人間も食べるんですよ』と言われたんですよ!びっくりしちゃって…。」

仙台市泉区に住む60代の女性。4月25日の午前11時ごろ、自宅に知らない男が訪ねて来た。つなぎ服姿の男は、女性に落ち着いた様子で、こう告げたという。

女性宅を訪問した不審な男:
「私は環境センターの者です。実は、ペットで飼っていたアメリカ製の黒い3メートルのヘビが逃げたということで連絡が入りまして、今私たちが捜しています」

話を聞き、驚いた女性。その姿を見て男は、優しい口調で、「心配であれば家の中を確認します」と申し出たという。さらに、男は、女性に不信感を抱かせないためなのか「すでに何軒か家の中を見て来た」と、女性に話していた。同居家族がいた女性は、男の申し出を断った。

「悪い印象はなく優しかった」

不審な男の訪問を受けた女性:
「(男は)『今1人ではないんですね』と、心配してくれたかのようだったので、私はますます、そういうようなセンターから来た人なのかなと思いましたね」

玄関先で続いたおよそ10分間のやりとり。男を家に上げることはなかったが、その間女性は、疑うこともなく、詳しい家族構成など、男の質問に答えてしまっていた。

不審な男の訪問を受けた女性:
「感じが良いわけではないけど、別に悪い印象なかったです。普通で優しかったくらいです。だから私も家族の事を自然に言っちゃたのかなって…」

ヘビを見つけたらどこに連絡すればいいのか尋ねると、男は「警察に知らせてください」と言い、落ち着いた様子で近くに停めていた車まで歩いて行ったという。

300万円無くなった家も

女性の自宅がある仙台市泉区福岡は、仙台市中心部から車で40分ほどの田園風景が広がるのどかなエリアだ。

警察によると、同様の事案は、福岡だけでなく、同じ泉区の根白石、西中山、館、西田中で発生していて、訪問を受けた住宅は8軒にのぼる。このうち1軒では、男が家に上がり込み、立ち去ったあと、現金300万円が無くなっていることに気付いたという。「猛毒のヘビが逃げた。家の中を確認させてほしい」と語る、不審な男の犯行なのだろうか…。

不審な男の訪問を受けた女性:
「今思えば冷静じゃなかった気がするんですけど、でもそんな人来るとは思ってないから、全然疑いも何にもありませんでした。『金を出せ』なんて言われたかもしれないよなと思うと、恐ろしい。」

男の特徴は20代から40代ぐらいで、身長は170センチぐらい、短髪、黒髪だったという。警察は、現金がこの男によって盗まれた疑いもあるとみて捜査するとともに、さらなる事件に発展する可能性もあるとして、注意を呼びかけている。

(仙台放送)

仙台放送
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