ブーメランで始まり…遊びながら身体も少し鍛えられる「スポーツトイ」。こうしたカテゴリーを確立させ日本に広めたラングスジャパンのトップ、小林美紀(こばやしみき)社長に迫った。

就職経験無しの専業主婦からブーメランで社長へ

ラングスジャパン 小林美紀社長:
34歳まで就職経験も無いですし、働いたことは無かったです。ブーメランでも投げてみようかって。

この記事の画像(34枚)

東京都世田谷に本社があるラングスジャパン。

創業から36年、会社のトップは石川県の口能登にある、宝達志水町出身、小林美紀さんだ。

小林社長:
ブーメランをずっと販売していたんですけれど、取引先に「ブーメラン以外も売ったらどう?」ってアドバイスされて気付いたらこれぐらいになっていました。

小林さんは元々専業主婦。創業のきっかけは、穴水町で夫と一緒にブーメランを投げたことだった。

小林社長:
やったらすごく面白かったのでブーメランを広めたいねって所からスタートしました。34歳まで就職経験も無いですし、働いたことは無かったです。

ブーメランに着目した理由。小林社長は動体視力や反射神経が遊びながら鍛えられると感じたからだ。

小林社長:
スポーツトイっていうカテゴリーの売り場は無かったんです。スポーツかトイか。それをスポーツトイという売り場を作ったのが自分が初めてでしたのでそこで初めて造語ができた。

小林社長:
売りたいって気持ちは全然無かった。てっとり早い手段が売ることだっただけです。今も広めたいって気持ちしか無くて、結果売り上げになっているってだけで何個売ったじゃなくて何人に売ったっていう。

ブーメランは1年間で700万個も売れるほどに。

それ以降もプラズマカーやリップスティックなど数々のヒット商品を連発する。その理由は…?

小林社長:
全部自分のデザインですね。キャスターボードもスケボーもバランスバイクも全部自分でデザインしています。

そう、商品のアイデアやデザイン、プロモーションまで全て小林社長が行う。

小林社長:
私加賀友禅を習っていたんですよ。もしかして石川県の人は気付くかもしれないんですけれど、加賀友禅っぽいデザイン。

デザインは地元の伝統工芸に影響を受けていた。

小林社長:
ちょっと訪問着みたくないですか?これなんかも…黒留袖(くろとめそで)。私ここにMiki・Kobayashiってサイン入れている。加賀友禅の時に落款(らっかん)を付けているのでやっぱりサイン入れるのは癖になっている。

独創的なデザインはあのヒカキンやはじめしゃちょーといった人気YouTuberたちを虜にしている。

被災した子供のために…出した商品は世界で200万個以上の売り上げ

更に、ラングスジャパンの知名度を確立した商品がキネティックサンドだ。

小林社長:
人生を変えたぐらいの商品はコレ。キネティックサンドっていう砂。震災の時に外で遊べない子供のために家の中で砂遊びが出来たら良いなと思って、初めてヨーロッパに探しに行ったんですね。北欧とか夜の長い所なら室内遊びが多いと思って。

子供のためになる商品を販売したい。その一心で販売したキネティックサンドは世界中で200万個以上も売れる大ヒット商品となった。

息抜きの場は家族や社員のために作ったジム

そんな小林社長の息抜きの場。

小林社長:
フォームはどうですか?
トレーナー:
もう少し肩の力を抜いて…

小林社長:
週1トレーニングしているんですよ、ここで。

ジムでのトレーニングだ。

取材スタッフ:
すごい…
小林社長:
スッキリしますよね、こういったスポーツするとリセットできて。

でも、他のジムとはちょっと違う。

小林社長:
他の人がトレーニングしている横で私がこれをやるとビックリするみたいですよ。

ラングスジャパンの商品がズラリと並ぶこのジム。実は…。

小林社長:
家族と会社のスタッフのために最初作った。そこからお客様が増えてきた感じなので。

小林社長の判断基準は、「家族や社員のためになるか」だ。

小林社長:
まず息子・娘に与えたいものを1つ1つ選んで作ってきたので、まず自分の1番大切な人間に与え
たい物を世の中に広めている。だから絶対に良い物しか広めてない。

小林社長:
この商品は絶対に日本のためになる!と思ってやっています。お年を召した方が体の具合が悪くなって医療費もかかりますが、そうじゃなくて病気にならない体を作るって意味では、5歳6歳からこれに乗っていたら60歳になっても自転車と一緒で乗れますよね。スタッフには「子供に売っていると思わないで60歳、70歳にいつかなる人に販売していると思って。そうすれば医療費削減にもなる」って言っているんです。

去年、経団連にも加入したラングスジャパン。「遊ぶこと」が「健康づくり」に。小林社長の次のアイデアはいったいどんなものになるのか楽しみだ。

取材スタッフ:
次、第2弾があったらご自宅にお邪魔しても良いですか?
小林社長:
2弾だけですか?アハハハハ。

(石川テレビ)

石川テレビ
石川テレビ

石川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。