国の文化審議会は3月17日、山形・尾花沢市銀山温泉の老舗旅館「古勢起屋本館」を国の登録有形文化財に登録するよう、文科相に答申することを決めた。

“築100年超え”の老舗旅館

国の登録有形文化財は、建設から50年以上たった貴重な建造物の保護を目的としている。文科相への答申が決まったのは、尾花沢市にある銀山温泉の旅館「古勢起屋本館」。

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約100年前の1914年(大正3年)に2階建ての温泉旅館として建築された古勢起屋本館は、昭和初期に3階部分の建て増しが行われ今の造りとなった。

建物の特徴は、当時、日本の建築に大きな影響を与えた直線的で端正な「アールデコ様式」と呼ばれるもので、和と洋の調和がとれた美しさが大正ロマンを感じさせる。

古勢起屋本館は、老朽化と施設の安全上の問題で約20年前から一時休業していたが、東京オリンピックや新型コロナが収束したあとの観光需要の増加を見込み、2022年7月にリニューアルオープンした。

古勢起屋本館・小関健太郎社長:
国の登録有形文化財に登録されるということで大変うれしく思う。銀山温泉にはまだまだ登録に値する建物が多くあるので、より保存していける形を作れるように弾みをつけていけたらいい

「古勢起屋本館」が答申通り登録されると、銀山温泉の登録有形文化財は「能登屋旅館」に次いで2件目で、県内では196施設となる。

(さくらんぼテレビ)

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