去年1年間に、全国の警察が、児童ポルノ事件で検挙したのは2000人余りで、半数近くが10代だったことが分かった。検挙者の中で10代が占める割合は、およそ10年前の2倍にのぼっているという。

警察庁の統計によると、去年1年間に児童ポルノ事件で検挙されたのは、おととしより64人増えて、2053人だった。このうち10代は905人で、全体の44.1%にのぼった。

児童ポルノ事件の検挙者のうち10代が占める割合は、2013年が22.7%だった。およそ10年で、2倍に増えたことになる。

自分や友人のわいせつな画像をSNSに投稿するなどして、検挙されるケースもあるという。いわゆる”自画撮り”などにより、10代が「被害者」だけではなく、「容疑者」にもなっている実態が明らかになった。

警察庁は、スマホを使う年齢の低年齢化や、SNSの利用率の増加が背景にあるとみている。また、10代がスマホの不適切な扱いで、罪の意識が低いまま容疑者になっている可能性が高いと分析している。

一方、SNSを通じて児童が容疑者と知り合い、児童ポルノや児童買春、強制わいせつなどの被害にあった事件では、74.9%が児童側からの”最初の投稿”がきっかけとなっていた。

投稿内容としては、「プロフィールのみ」、「趣味嗜好」、「友達募集」、「日常生活」などが半数以上を占めていた。警察庁は、一見、普通の投稿でも事件に巻き込まれる危険性があると指摘、SNSの適切な利用の啓発を進める。

社会部
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