SNS上に相次いで投稿され問題になった飲食店での迷惑行為。これに対応するため、回転寿司大手の「くら寿司」はAIを使って監視する新しいシステムを導入した。
相次ぐ迷惑行為「AI」が寿司レーンを監視
この記事の画像(15枚)食のエンターテイメント回転寿司。楽しむためにはルールがある。例えば、「一度取った皿は戻さない」。
記者リポート:
そんな、万一のルール違反を防ぐ手立てが講じられました
皿をカバーの中に戻すと、即座に「通知」がいく。
くら寿司の本部:
本部カメラ担当です…(※違反行為を連絡)
くら寿司の店舗:
分かりました。すぐに回収します
連絡を受けた店のスタッフがすぐに当該の寿司を回収する。
「くら寿司」が全国の店舗で導入したこの新システム。秘密は、レーンの上に取り付けられた小さな「AIカメラ」だ。カバーの不審な動きを自動で検知し知らせてくれる。
「くら寿司」では2023年1月、一度取った寿司の皿をカバーの中に戻す動画がネット上で拡散された。この事態発覚からおよそ1カ月というスピードで対策が講じられたわけは…
くら寿司 小山祐一郎さん:
こちらのAIカメラは、もともと付いていたものなんです。取られたお寿司の、お皿の枚数をカウントするためのものだったんです
くら寿司では2021年までにAIカメラを全店に導入していて、今回それを一部改修することでほとんどコストをかけずに対応した。また、遠隔から接客をサポートするための店内カメラの録画機能を活用して警察に相談することも検討している。
くら寿司 小山祐一郎さん:
次どんなお寿司が流れてくるんだろうというワクワク感があると思います。回転寿司の文化とも言える”お寿司を回す”ことを今後も続けていきたい
回転寿司をはじめ、飲食店で横行する迷惑行為。それをSNSなどに投稿する問題が相次いでいる。スシローは、レーン上に寿司を流すことはやめて、タッチパネルで注文された商品のみ提供。レーンとの間にはアクリル板を設置した。
ガリを箸で“直食い”する動画が投稿されたはま寿司では、全店舗で袋入りのガリを用意し対応しています。そもそもなぜ、ネット上に迷惑行為があふれ続けるのか。それは「SNS時代」に生きる若者が「自分の存在感」の出し方を間違えているのだろうと専門家は話す。
公認心理師 川本義巳さん:
ネットの世界では悪ふざけが取り上げられることが多いもんですから、その辺感覚がマヒしてるのもある。本来であれば良いことやってるとか、努力してとか褒められることやって(仲間に)所属したいんだけども、それが出来なかった場合、その逆をやることがあるんです
相次ぐ問題行為を防ぐために、社会全体で考えていく時に来ているのかもしれない。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年3月2日放送)