北陸新幹線延伸まで残り1年余りとなったが、異例の事態が発生した。福井・あわら市の新駅に隣接する観光施設が2023年3月にオープンする予定だが、施設内の土産物店や飲食店が開店を延期する事態に陥った。背景には、市に対する業者の反発があった。

物販・飲食部門は当初、市内の食品会社が担当

観光施設「アフレア」は、北陸新幹線「芦原温泉駅」前で整備が進められている。にぎわいづくりを目的に、観光案内所やイベントホール、土産物店や飲食店を備える計画だった。

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物販・飲食部門については当初、あわら市内の食品会社が担当していた。しかし、建築資材の高騰が要因で出店費用は増加。あわら市に補助金の増額を求めた。

しかし、市はそれに合意しなかった。さらに市は急きょ、市内の業者ではなく、県外の別の業者に出店を依頼したのだった。

出店を打ち切られた市内の業者は強く反発した。県外の業者との契約協議は無効として、2022年11月に契約の停止を求める仮処分を福井地方裁判所に申し立てた。

市は県外業者と準備を進める姿勢を崩さず

2023年2月、あわら市の森市長は、定例会見で「仮処分の判断が示されるまで、物販や飲食部門のオープンは延期すること」と発表する事態となった。

あわら市 森之嗣市長:
このような状況になっているのは非常に残念。大変、市民のみなさんにご心配をおかけしているので申し訳ないという思いでいる。できるだけ早い段階で解決して、新幹線を迎えるための機運醸成を図っていきたい

一連の騒動を、あわら市民はどう思っているのか?

あわら市民:
開業した時に店舗はあってほしかった。駅前の通りはずっとお店がなくて寂しいので

あわら市は、県外の業者と出店の準備を進める姿勢を崩していない。仮処分の判断が確定するまでは、観光拠点は部分的にオープンするという極めて異例の事態となっている。

(福井テレビ)

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