北陸新幹線の福井延伸まで残り1年余り。JR福井駅前では、すでに恐竜に力を入れた誘客プロジェクトが動き始めている。開業を見据え、磨き上げに力を注ぐ最大の観光コンテンツ「恐竜」に関連した県内の取り組みを取材した。

生まれ変わる恐竜博物館

県と福井市は「ウェルカム恐竜増殖プロジェクト」と銘打ち、モニュメントの新設などを進めている。

県内に“恐竜”が続々
県内に“恐竜”が続々
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また民間企業も、恐竜を模したレンタカーを用意するなど、恐竜コンテンツの開発に力を入れている。

県立恐竜博物館はリニューアルへ
県立恐竜博物館はリニューアルへ

恐竜コンテンツのブラッシュアップの目玉となるのが、勝山市にある県立恐竜博物館のリニューアルだ。年間90万人を超える観光客が来た年もあり、今や福井を代表する観光施設となっている。

工事が本格化する館内
工事が本格化する館内

12月5日から本格工事に入るため、現在は臨時休館中。竹内利寿館長にその狙いを聞いた。

竹内利寿館長
竹内利寿館長

県立恐竜博物館・竹内利寿館長:
当初は入館者数を年間30万人程度と想定していた。ただ今はその何倍もの人を受け入れていて、トイレやショップが狭い、レストランの席が足りないなど、入館者の満足度が低下してしまう

県立恐竜博物館 入館者数
県立恐竜博物館 入館者数

入館者は2000年の開館の翌年以降、25万人前後で推移していた。ただ2006年から右肩上がりで増え、新型コロナウイルスの感染拡大直前には、100万人に迫る勢いをみせていた。国内随一の施設で、県外から多くの人が訪れている。そして新幹線開業で、さらに入館者増加が見込まれるため、増築リニューアルに踏み切った。

工事中の現場
工事中の現場

今野真帆アナウンサー:
工事が着々と進んでいますよ。足場が組まれています。円形のものもありますね

リニューアル後の恐竜博物館イメージ図
リニューアル後の恐竜博物館イメージ図

リニューアル後のイメージ図を見ると、増築部分は現在の施設の正面玄関の右側となる。博物館のシンボルとなっている「巨大なたまご」だが、それもさらに一つ加わる。

特別展示室(イメージ)
特別展示室(イメージ)

3階建ての建物には、実物大の恐竜の映像を映し出す高さ9メートル幅16メートルの巨大スクリーンを設置。

恐竜研究体験室(イメージ)
恐竜研究体験室(イメージ)

化石の組み立てや分析などを体験できる部屋、貴重な研究資料の収蔵庫が見える通路などが設置される計画だ。

県立恐竜博物館・竹内利寿館長:
大型スクリーンで実物大の恐竜が歩く世界の中に入ってもらう。ティラノサウルスの頭骨の組み立てを実際にやってもらう

リニューアル後のコンテンツとして、重きを置いているのは体験だ。

県立恐竜博物館・竹内利寿館長:
最近の旅行形態が「モノ」消費から、「コト」消費に変わっている。標本を見るだけの観光博物館から、通年で体験・体感できる博物館にしたいと考えている

完成予定は2023年夏で、新幹線県内開業より半年以上早いオープンとなる。開業後の将来像を聞いた。

県立恐竜博物館・竹内利寿館長:
福井の誘客のトップバッターとして呼び水となる。他の観光地と結ぶ周遊型の観光を提供する。そうすれば日帰りではなく宿泊の旅行につながり、県内に経済効果を広く行き渡らせることにつながる

県内の観光業界の先導役として、波及効果をどこまで広げることができるのか。新しい県立恐竜博物館の完成に注目だ。

(福井テレビ)

福井テレビ
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