女子レスリングでリオオリンピック、東京オリンピックで連覇を果たし、2022年ママになった津幡町出身の金城梨紗子選手。次のパリオリンピックへ向け、現役復帰した思いを聞いた。

五輪後、結婚・出産を経て拠点は福井県に

金城(旧姓:川井)梨紗子選手(サントリービバレッジソリューション):
今、日本中探しても私しかそれが出来ないと思うと「できる」「できない」よりも挑戦することに意味があるのかなって。

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石川県津幡町出身の金城梨紗子選手。妹の川井友香子選手と臨んだ東京オリンピックでは姉妹で金メダルを獲得。その後、敦賀気比高校のレスリング部監督を務める金城希龍さんと結婚し、2022年女の子を出産した。

金城梨紗子選手:
すごく過ごしやすくて冬は寒いがご飯は美味しいし、楽しく生活しています。

福井県敦賀市の体育館。

金城梨紗子選手:
戻る戻る戻る!脚入ってるから中戻って!戻んなきゃ。乗られちゃうよ。

金城選手、今は拠点を福井に移し敦賀市内にあるレスリングクラブのコーチとして子どもたちを指導している。

練習場では児童の親の力も借りながら母としても奮闘中。更に…

金城梨紗子選手:
福井でレスリングをやる子は高校スタートが多い。いかにそこでレスリングの楽しさや勝負することへの緊張感や心構えを学んでほしい。

金城選手は、敦賀気比高校レスリング部のコーチに就任。自身の練習も兼ねている。というのも…

金城梨紗子選手:
東京オリンピックで一区切りかなと思ったが振り返った時にやっぱりレスリングが好きで、レスリングに育ててもらったので、まだ辞められない、辞めたくないって気持ちの方が強かったから復帰しました。

母として出場した全日本選手権で5年ぶりの優勝

場内アナウンス:
リオオリンピック63キロ級、東京オリンピック57キロ級、金メダリスト、金城梨紗子選手。

出産後すぐに現役復帰。

2022年12月の全日本選手権に59キロ級で出場した。

そして…

全日本選手権としては、5年ぶりの優勝を果たした。

金城梨紗子選手(試合後):
まずレスリング出来ることが嬉しくて、東京オリンピックが終わってから結婚・出産・育児しながら色んな人の支えでマットに上げてもらってるんだなってすごく試合しながら感じていました。

金城梨紗子選手(試合後):
金城の名前で戦って更に娘もいて本当に幸せだなって思っています。

「挑戦できるか、勇気を出せるか」パリ五輪へ

母になってもストイックな梨紗子選手。しかし復帰当時、夫の希龍さんは複雑な思いがあったと言う。

金城希龍さん(夫):
最初は…ちょっと反対の気持ちはありました。子育てをしながらだと今まで以上に練習が出来なくなる、それを両立出来るのかなっていう心配があって…夜泣きとかも大変だったとは思うんですけれど。そこでも弱音一つ吐かず、家事・育児をしっかりやった上での練習を上手くやっているので、サポートして応援しようと。

金城梨紗子選手:
子どもを産んでから考え方が少し変わって、今3連覇を目指せるのは私だけで、更に子どもを産んでから、金メダルを目指すのも私しか出来ないこと。欲しいもの(金メダル)は2つ持っているので、勝負への怖さはもう無い。挑戦できるか、勇気を出せるかが自分の中での勝負。

2022年1月、敦賀気比高校の特別顧問に就任。改めてパリオリンピックへの意気込みを口にした。

金城梨紗子選手(就任会見時):
妊娠・出産を経て連覇を目指している形は、日本のレスリング界では無かった事で、今日本中探しても私しかそれが出来ないって思うと、「出来る」「出来ない」よりも先ず挑戦することに意味があるのかなって思っているので、どんな道のりになるんだろうって楽しみながらやる気持ちの方が強いです。

東京オリンピックの歓喜から約1年半。

今度は母として、オリンピックの頂きを目指す。

(石川テレビ)

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