健康に対する意識が高まる中、大手飲料メーカー、日本コカ・コーラとキリンホールディングスの2社が異例のタッグを組み、免疫機能を維持する「免疫ケア」の習慣化を目指す。
キリンHDの独自素材「プラズマ乳酸菌」配合飲料をコカ・コーラでも販売
日本コカ・コーラは、キリンHDが35年の免疫研究の中で発見した独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した代表的な4ブランドの商品を、3月6日から北海道・北陸・長野エリアで発売すると発表した。
消費者は商品を気軽に手に取り、免疫機能を維持する“免疫ケア”を習慣化しやすいように、慣れ親しんだブランドでの幅広い展開になったという。
日本コカ・コーラ マーケティング本部事業本部長 向江一将さん:
両社とも、消費者の方が“免疫は大切だけどなかなか習慣化できていない”という悩みに対して、何か解決策を提供できれば、社会的意義があるのではないかと。
キリンHD ヘルスサイエンス事業部部長 藤原大介さん:
社会としてこれをやっていかなくてはならないのであれば、より届けられるパートナーと組むというのは、我々にとってすごく自然な選択でした。
日本コカ・コーラは、将来的には、全国販売も進めていきたいとしている。
免疫必要と認識も…習慣化たった1割 日本から世界に輸出するビジネスを
「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
内田嶺衣奈 キャスター:
プラズマ乳酸菌によるキリンとコカ・コーラのコラボ。7日の新製品発表会にも足を運ばれたという事ですが、いかがですか?
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
キリングループの独自素材である、免疫機能の維持をサポートする「プラズマ乳酸菌」を、同じ飲料メーカーである日本コカ・コーラに提供するのは極めて異例なことだと思う。
ただしライバルに売上げを奪われてしまうという発想を転換して、外部パートナーと一緒に免疫ケアが当たり前となる世界をつくれば、大きなビジネスチャンスとなり、顧客に支持されるという計算があるのではないかと思う。
キリンの調査によると、約85%の方は「免疫」は健康のために必要だと意識しているのですが、免疫ケアのために食事や飲料に気を配ったり、サプリメントの摂取などを習慣化している方はわずか約11%しかいない。
この乖離を埋めるためには、パートナー企業と一緒に多彩な商品を展開して、客がプラズマ乳酸菌を手にとりやすい環境をつくる必要がある。
内田嶺衣奈 キャスター:
一方、コカ・コーラのような外部パートナーが、キリンとコラボするメリットについてはいかがですか?
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
免疫ケアを習慣化するということは、言葉をかえると、プラズマ乳酸菌の関連商品を定期購入するということなので、売り上げは安定する。
実際にプラズマ乳酸菌の関連商品は、2022年1~6月までの販売実績が、前年の同時期と比べて約5割増とかなり拡大している。
客は価値を認めた商品には、1.2倍程度の買い物に抵抗がない傾向がある。
免疫をケアするという価値は、健康で生き生きと暮らすことにつながるため、プラズマ乳酸菌の関連商品は、これからますます、すそ野が広がっていくのではないかと思う。
内田嶺衣奈 キャスター:
確かにお店で商品を選ぶ際には、体に優しいものを手にとることがありますよね。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
様々な商品開発に携わってきたが、近頃は価格の安さで訴求する商品が増え、製造拠点や原材料などの海外依存が高まっている。この流れとは逆に、付加価値ある商品を開発して、日本から世界に輸出するビジネスが求められている。
なのでキリンが外部パートナーとともにプラズマ乳酸菌の商品ラインナップを広げ、「免疫ケア」が新しい価値として、世界の当たり前になることを期待しています。
内田嶺衣奈 キャスター:
以前、キリンホールディングスの磯崎社長にインタビューさせていただいた際に、“キリン一社でやれることには限界がある。健康に対して考えを共有できるパートナーと組んで、日常の免疫ケアを世界に根付かせていきたい”とお話しされていました。
積極的なコラボレーションの背景には、社会課題の解決への熱い思いがありました。
(「Live News α」2月7日放送分より)