金沢市のある老舗企業が行っているユニークな取り組み。テーマは「もったいない精神がSDGs」だ。どんな取り組みなのか取材した。

1950年の創業以来続けている再利用

凰えこさん:
段ボールに「ウェルカム」って書いてある…石川さんもいます!

この記事の画像(28枚)

なんだかユニークな雰囲気が漂うのは石川県金沢市の浜田紙業。

凰えこさん:
入り口に段ボールで「ウェルカム」ってあったんですけれど、あれは何ですか?
浜田紙業 浜田浩史専務:
あれは捨てる予定だった段ボールを再利用しています。
えこさん:
作ったんですか?
浜田専務:
はい、自社で作りました。

いったい、何の会社なのか。隣にある大きな倉庫に案内されると…あったのは山積みの段ボール箱だ。

浜田専務:
私の会社は創業74年で、ティッシュやトイレットペーパーや紙おむつ、印刷用紙などを扱っている紙問屋になります。
えこさん:
紙問屋さんなんですね!

1950年創業の老舗商社「浜田紙業」。ティッシュなどの生活用品から印刷用紙まで紙に関する製品を幅広く取り扱っている。

浜田専務:
こちらがA版という大きなサイズの印刷用紙なんですが、弊社に月間40~50トン入荷してきます。

こちらでは裁断機を使い、大きなサイズの印刷用紙を業者から注文されたサイズにカットして納品している。

その際に出るのが大量の包装紙だ。

浜田専務:
普通だったらゴミなんですけれど、浜田紙業ではこれを全て再利用してSDGsに貢献しています。

包装紙は、こちらも段ボールを再利用した専用ボックスに一時保管。裁断機でカットして自社製品を送る際の包装紙に使用している。

同様に段ボール箱も再利用ステッカーを貼って発送用に。

えこさん:
いつからこういったリサイクルをされているんですか?
浜田専務:
弊社は創業以来ずっとこうしたことをやってきています。

浜田専務:
最近SDGsや環境問題が叫ばれてきて、今まで当たり前のようにやってきたことが再評価というか…時代にマッチしているのかなと思います。

遊び心から防災用グッズのオーダーも!

更に段ボールはこんな再利用も。

えこさん:
え?これはなんですか?
浜田専務:
これも段ボールの端材で作ったバスケットゴールです。ノリで作ってみました。

こうしたバスケットゴールの他にも”段ボールロボット”に”顔だしパネル”など…

捨てられるは​ずの段ボールで社員が遊び心溢れる作品を生み出し、それを自社のYouTubeなどにアップしてきた。

すると…

浜田専務:
この段ボールベッドは防災用で石川県知事も座っていました。

2021年、損保ジャパン金沢支店から防災用段ボールベッドの製作を受注。

現在は県内9つの災害時支援ステーションに常備されている。

更にこちらの車中泊ができる段ボールマットはSNSで愛好家たちの目に留まり、2023年2月イベントに招待されることになったという。

もったいない精神が新しいビジネスに繋がり始めている。

浜田専務:
こういった端材もまだまだ可能性をすごく感じているので、世の中の人のお役に立てるような企業を目指して、邁進していきます。

(石川テレビ)

石川テレビ
石川テレビ

石川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。