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2月2日、カメラの前に姿を見せたのは、渡辺優樹容疑者の元妻です。
渡辺容疑者を、女性や子どもへの暴力で訴えている元妻。一部では「渡辺容疑者を日本に送還させないために、告訴しているのでは」と指摘されています。

さらに、フィリピンの夜の街から聞こえてきたのは、4人の容疑者と「女性」のかかわりです。

容疑者4人とカメラに捉えられた女性たち
容疑者4人とカメラに捉えられた女性たち

特殊詐欺で得た現金の“運搬役”の女など、4人の容疑者と関わっていたとされる女性が、これまでカメラに捉えられただけで「4人」。

容疑者たちは、女性を利用して身の安全を図っていたのでしょうか?
4人の男と、カメラに捉えられた4人の女性たち。「めざまし8」はその関わりを追いました。

“ルフィ”たちの周囲にうごめく「女性」の影

めざまし8が取材したのは、容疑者らが“豪遊”していたというマニラの歓楽街。

“新宿の歌舞伎町”といわれるマニラの歓楽街
“新宿の歌舞伎町”といわれるマニラの歓楽街

きらめくネオンの光。地元では「東京でいうと新宿の歌舞伎町」と呼ばれる街は、日本人に対して、フレンドリーな雰囲気です。

「ワタナベさん」を知っていると答える地元住民
「ワタナベさん」を知っていると答える地元住民

周辺で聞き込みをしてみると、飛び出すのは「ワタナベさん」の目撃情報。

田中リポーターが案内されたのは、日本語の看板がかかったお店
田中リポーターが案内されたのは、日本語の看板がかかったお店

渡辺容疑者とみられる男の目撃情報があった「すばる」という看板がかかった店に入ると、熱烈な歓迎を受けました。日本人の客が多いために、店員たちは簡単な日本語なら話せるようになるそうです。

日本語で挨拶し、熱烈な歓迎をしてくれる店員たち
日本語で挨拶し、熱烈な歓迎をしてくれる店員たち

この店に渡辺容疑者とみられる人物が訪れたのは、2019年のこと。日本人だけのグループだったといいます。

渡辺容疑者を知るという店員
渡辺容疑者を知るという店員

渡辺容疑者を知るという店員:
いつもVIPルームです。いつも楽しくしてる!

ーー渡辺容疑者はなぜこの店に?
知ってる子がいたからね。他の店からきて、ここで働いて。あの子のためにこっちに来てる。

知り合いの女性がここで働いていたため、店を訪れては指名していたという渡辺容疑者。
高額なチップを渡すなど羽振りは良かったといいますが、その女性がやめると、店に来ることはなくなったといいます。

容疑者に寄り添う「女性」の影はほかにも…。
2021年、藤田聖也容疑者がフィリピン当局に逮捕された際の映像を見ると、隣には女性の姿が。藤田容疑者は、何度かその女性と目を合わせ話している様子がありました。

収容所でも、渡辺容疑者の周りには、女性の存在があったといいます。
不法滞在で5カ月ほどビクタン収容所に収容されていた、韓国人の作家・キム氏は、この「女性」が渡辺容疑者に協力している可能性を指摘します。

韓国人作家 キム・ユンニョン氏
韓国人作家 キム・ユンニョン氏

韓国人作家 キム・ユンニョン氏:
女性の秘書が動いて、わざと訴訟をかけるんです。
渡辺クラスなら秘書はいます。1日1回、2日に1回、電話すると来て雑務をするんです。

収容中も渡辺容疑者をサポートしていたとみられる「女性秘書」。
そして明らかになったのは、渡辺容疑者の元に現金を運んでいた女の存在です。渡辺容疑者と交際していた32歳の女は、特殊詐欺で得た現金を、日本国内から運び込む“運搬役”になっていたというのです。

渡辺容疑者の元に現金を運んでいた女(32)
渡辺容疑者の元に現金を運んでいた女(32)

この“運搬役”の女について、専門家は…

犯罪ジャーナリスト 多田文明 氏:
よほどの信頼がないとできないんですね。詐欺グループにとって、お金を持ち逃げされるっていうことが一番リスクなんですよ。
犯罪グループの中で活動してきた人物なのではないか、というふうに推察されますね。

裁判記録などによると、女は2019年3月にマニラで渡辺容疑者と出会い、交際に発展。帰国から2週間後には、現金2000万円を手に再びマニラを訪れ、渡辺容疑者に手渡したといいます。
捜査関係者によると、女がフィリピンに渡っていた回数は、合わせて7回。
その後は、日本国内の元締め役となり、SNSなどで特殊詐欺の受け子などを募集するリクルート役や、だまし取った金の回収などを行っていたといいます。

「日本に返してはいけない」容疑者ら控訴する女性たち 報道陣を前に無言

徐々に明らかになる、容疑者と関わる女性たちの存在…。

渡辺容疑者の元妻と小島容疑者を告訴している女性
渡辺容疑者の元妻と小島容疑者を告訴している女性

そんな中、2日にカメラの前に姿を見せたのは、渡辺容疑者の元妻と、小島容疑者を告訴している女性。報道陣の問いかけに2人とも無言を貫き、その場を後にしました。

質問には一切答えず、車に乗り込む渡辺容疑者の元妻と、小島容疑者を告訴している女性
質問には一切答えず、車に乗り込む渡辺容疑者の元妻と、小島容疑者を告訴している女性

「渡辺容疑者を日本に送還させないために告訴しているのでは」と、一部で指摘されている、渡辺容疑者の元妻。マニラ中心部の高級住宅街にあるマンションに住んでいます。

渡辺容疑者を告訴している元妻の弁護士
渡辺容疑者を告訴している元妻の弁護士

元妻側の弁護士は、「渡辺容疑者が暴力を振るったことは事実」「彼は悪いことをしたのだから、事件が解決するまでは、日本にかえしてはいけない」と主張しています。
しかし2日の審理で、フィリピン当局は、裁判そのものが虚偽の告訴によるものとして、裁判の取り下げを申し立てました。2日には結論が出されず、審理は7日に持ち越されました。

一方、脅迫や女性と子どもへの暴力で告訴されている藤田容疑者。
3日午前に対応した裁判所職員によると、脅迫の罪については「正当な理由の欠如」を理由に、1日に棄却され、女性と子どもへの暴力についても棄却される見通しだといいます。

レムリヤ法相は、4人一斉の強制送還ではなく、藤田容疑者ら2人を先に送還する可能性を示しています。

(めざまし8 2月3日放送)