皆さんが最後にブランコをこいだのは、いつだろうか?
今まで「こうだと思っていた」ものやコト。その想像よりも、“ナナメ上”に変化を遂げてしまったものを調査する「ナナメ上調査団」が今回調査したのは「ブランコのナナメ上」!

子供たちが楽しむ遊具というイメージの強いブランコだが、日本やニュージーランドの“高すぎるブランコ”から、アメリカの“長すぎるブランコ”、インドネシアの“超癒やしブランコ”まで、“ナナメ上”に進化した「トンでもないブランコ」を一気に紹介する!
高すぎてナナメ上!【高さ28メートルの巨大ブランコ!】
通常一般的なブランコの高さは、地上から2〜2.5メートルほど。

しかし日本が誇る“超高層ブランコ”が、大分県にあるという。
その高さはなんと地上28メートル。

大分市内から車で走ること約1時間。竹田市・久住高原を訪れると、車窓から天高く伸びる2本の棒が見えた。
近づいてみるとあまりに高すぎて、カメラの画角にまったく収まらないサイズ感!

それもそのはず、地上からの高さ28メートルは、一般的なブランコの約14倍という、まさに常識のナナメ上を行く高さのブランコだ。一体どんな乗り心地なのだろうか…?

早速スタッフが乗ってみる。長ーーく伸びたロープが緩やかな円を描くと…想像のナナメ上、はるか遠くまでスイング!
ブランコの最高到達地点は、なんと地上4.5メートルにまで達する。

そのスピードも相まって、見た目以上の高さと怖さを感じる、スリリングな巨大ブランコだった。
実はこの超高層ブランコ、今の高さ28メートルにまでなるまでには、制作した後藤健一さん(75)の執念の物語があった。

後藤さんがブランコを作り始めたのは2014年。地元の有志と手弁当で、2年もの歳月をかけ、ようやく26メートルのブランコを完成させたという。
しかしそのわずか2年後、2018年に山口県で行われた山口ゆめ花博に、なんと30メートルのブランコが登場。あっという間に高さを超されてしまったのだ。
この一報が、負けず嫌いの後藤さんに火をつけた。
同じ年の2018年、後藤さんはすぐさま山口県のブランコより1.5メートル高い31.5メートルのブランコを建造。再びライバルを追い越すことに成功!
しかし完成から1年足らずで、悲劇が襲う…。
なんとその31.5メートルのブランコが、大きな竜巻の影響で倒れてしまったのだ。
この経験から「ちょっと低めにしよう」と安全性を優先した結果、今の高さである、地上28メートルのブランコが誕生したという。
後藤さんは民宿を営むかたわら、今も毎日ブランコの点検を欠かさない。

「子供はコロナ禍で行動制限されている。子供たちが大きな声で遊ぶのを聞くと、私も励みになる。『わー楽しい!』という声だけが私の励みです」
後藤さんはにこやかにそう語った。
今では全国からお客さんが訪れているという、子供も大人も楽しめる地上28メートルの巨大ブランコ。
利用はマナーを守って自己責任。基本的には無料だが、任意で維持費となる協力金(1人当たり100円)を呼びかけている。
さらに、とんでもない高さのブランコは海外にもあった!
高すぎてナナメ上!【究極のスリル体験!崖っぷちブランコ】
ニュージーランドにある驚きのブランコがある場所は…なんと地上160メートルの高さの崖っぷち!

「3・2・1、レッツゴー」の合図で一気に谷底へ急降下すると、最高時速は125キロに達することもあるという。

約300メートルの巨大な弧を描いて谷底をスイングするブランコ体験は、全てが吹っ飛ぶほどのスリルが味わえそうだ。

料金は日本円で1回約2万円(※245NZドル)。ニュージーランドに行った際は、旅の思い出に体験してみるのもいいかもしれない。
ブランコといえば1人で乗って楽しむものがほとんどだが、福岡県には1人乗りのブランコを最大限利用した、ナナメ上のブランコがあった。
乗れる人数がナナメ上!【100人乗りの世界“最長”ブランコ】
北九州市にあるブランコは、1人乗り用のブランコが円周上にぐるりと取り付けられた世界で最も長いブランコだ。その数、まさかの100台!

全長163.35メートルあるこのブランコは、2019年、ギネス世界記録の公式認定員が立ち合い、市内の小学生100人が同時にこいで、ブランコとして機能することを確認。世界で最も長いブランコとしてギネス世界記録に認定された。
乗れる人数がナナメ上なブランコは、アメリカにもあった!
乗れる人数がナナメ上!【横に伸びる世界最長ブランコ】
アメリカ・ルイジアナ州にあるのは横に長~いブランコは、腰を掛けてくつろぐための家具のひとつ、「ポーチブランコ」と呼ばれるもの。

18.28メートルという長さは、2013年に長いポーチブランコのギネス世界記録に認定されている。

作ったのはその道38年、ポーチブランコ職人のクリストファー・クルーズさんだ。アメリカでは3人が座れるポーチブランコはよくあるが、定員が4人以上となるとなかなかないという。

クリストファーさんによると、約40人の大人が一度に乗れるというが、定員40人分に相当する体重、約3.5トンに耐える構造を作るのが難しかったそうだ。
続いては、今、空前のブランコブームを迎えているバリ島から、究極の癒やし(!?)ブランコを紹介する。
形がナナメ上!【ブランコベッド(!?)】
インドネシア・バリ島にあるブランコ。取り付けられているのは、なんと板ではなくベッドだ。

その名も「ベッドスイング」といい、ジャングルへと飛び込まんばかりの“ブランコベッド”の上でくつろぐ姿を写真に撮ると、なんともフォトジェニック!
1回の利用で20スイング、約3分間、夢心地を味わうことができる。

バリ島で、ジャングルの絶景を楽しむことができるブランコは他にもあり、人気のアクティビティー「バリスイング」は、バリ島屈指のインスタ映えスポットとして外国人観光客に人気だという。
アルプスの少女ハイジに出てくるような長いブランコで、まるでジャングルの上空に飛び込むような爽快感が味わえそうだ。
“子供の遊具”という常識の枠を軽々と越えた、ナナメ上のブランコ。皆さんも機会があれば、体験してみてはいかがでしょうか。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年1月24日放送)