食を通して様々な分野のトップに迫るトップメシの連載企画。今回は「ビーバー」でおなじみ、北陸製菓の髙﨑憲親(たかさきのりちか)社長のトップメシだ。北陸で知らない人はいない「ビーバー」を大ヒットに導いた社長が大切にしているものが、トップメシにあった。

ビーバーの復活!試食はみんなで

金沢市押野に本社を構える北陸製菓。創業は1918年、大正7年で乾パンやビスケットなどを製造していた。

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2014年に、一度は廃れた揚げあられ「ビーバー」の製造を受け継ぎ復活。今では、様々な味のビーバーを製造、販売し県民だけではなく全国にビーバーファンを獲得している。

北陸製菓 髙﨑憲親社長:
お疲れ様です。

北陸製菓のトップを務める髙﨑社長(30)。この日の最初の仕事は試食会。秋に発売予定の新商品だ。

髙﨑社長:
前よりめっちゃうまくなってる!前と全然違くないですか?

社長がひとしきり食べると社員も一口。毎日のように行っているこの試食会。参加する社員全員が試食する。

社員:
あ、うまい。においがもう、まさにそのもの。
髙﨑社長:
これでいきますか、うまいと思う、これでいきましょう!

記者:
試食はみんなでする?​
髙﨑社長:
そうですね、うちは本当にみんなで食べますね。いろんな性別だったりとか年齢だったりとか、できるだけこれに関わっている多くのメンバーで試食して、みんなで意見を出しあっていいお菓子を開発していきたいなという思いで取り組んでいます。

そんな試食会を経て生み出されてきたのが、揚げあられの「ビーバー」。

定番の塩味や白えび味、カレー味などに加え、最近はチョコレート味なども発売。北陸製菓と言えば「ビーバー」と言われるほど、会社を代表するお菓子に成長した。

知名度アップの立役者・八村塁選手に直接謝礼

このビーバーが全国どころか海を渡って知られるようになったのが…

実況アナウンサー:
八村のスリーポイント来ました!

アメリカのプロバスケットボール、NBAで活躍する八村塁選手。

2019年、鳴り物入りで入団したワシントン・ウィザーズで、チームメートに白えびビーバーを紹介したところ、インスタグラムで広まり大ヒットしたのだ。

髙﨑社長:
携帯を見ていて、投稿を見て、まあびっくりですよね。とにかく驚きでした。

八村効果で生産が追いつかなくなった「白えびビーバー」。

これをきっかけに社長は工場のラインを増設。生産量が倍になり、様々な味のビーバーが作れるようになったそうだ。

ヒットから3年、八村選手にお礼を言いたかったと言う髙﨑社長。それが2022年、日本で開催されたNBAジャパンゲームで実現する。

北陸製菓は大会のオフィシャルスポンサーを務め8万袋のビーバーを観衆に配布したのだ。

髙﨑社長:
セキュリティが結構厳しかったので、本当に1~2分しか会話ができていないんですけど
八村選手がビーバーを「美味しくて自分もそれが日本でやっぱりこれだけ取り上げられたことはとても嬉しかった」と言ってくださって、とても嬉しかったですね。

仕事も食も大切なのは”縁”

そんな人との「縁」を大切にする社長のトップメシは…?

髙﨑社長:
僕がここでご飯を食べるときは、「カナザワキンパクラブ」のキンパを食べているんですけれど、大好きな先輩がやっているお店なのでいつもこれを食べています。本当に美味しいです、このカナザワキンパクラブ。激ウマです!

選ぶメニューも人との「縁」を大切にしたものだった。そんな社長、ランチはいつも社員と一緒に食べるそう。会話を聞いてみると…?

髙﨑社長:
え、タメじゃない?
社員:
2学年下か、田中さん誕生日いつなんですか?
田中さん(社員):
明日です。
全員:
おめでとうございます!

髙﨑社長:
仕事の話は”無し”で楽しく話しています。仲が深まっていくところが、一番の理由ですかね。

社員:
社長に緊張したのは、面接以来無いなって思いました。分からないところとか聞きやすいので、その辺りはありがたいです。

この日のランチを終え、社長は外出。向かったのはお隣、富山県の体育館だ。

この日は富山のプロバスケットボールチーム「富山グラウジーズ」の公式戦。

実は北陸製菓、2020年前からこのチームのスポンサーを務めている。この日は集まった観客、約1500人に白えびビーバーを配った。

髙﨑社長:
ビーバーがバスケにご縁があったお菓子だと感じていますし、地元からバスケットボールというところに力になれることがあれば積極的に力になっていきたいなと思っています。

社長もマスコットのビーバーくんと共に会場を盛り上げる。

試合は一進一退の攻防。残り6.1秒で富山が勝ち越しのシュートを決め、髙﨑社長のテンションも最高潮だ。

そして…

髙﨑社長:
勝ちました!

髙﨑社長:
商品開発はもちろん、それにかかわるイベントだったりとかスポンサー関係であったり、とにかく地元を中心にお菓子を通じて、刺激や笑顔をもっと伝えていきたいと強く思っています。それから全国や世界に行きたいと思います。

「縁」を大切にしながら成長を続ける、北陸製菓・髙﨑社長の世界戦略に注目だ。

(石川テレビ)

石川テレビ
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