この春行われる統一地方選挙。石川県でも県議会議員選挙や金沢市議会議員選挙などが行われる予定だ。そこで今回は、石川県議選で選挙戦が予想されているの選挙区についてまとめた。

知事選の余波も?石川県議会議員選挙

石川県議会議員選挙の選挙区は全部で14ある。石川テレビの調べでは、今のところ、8つの選挙区で選挙戦となる見込みだ。

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選挙戦が確実視されているのは、輪島市、羽咋郡北部(志賀町)、鹿島郡(中能登町)、羽咋市羽咋郡南部(羽咋市と宝達志水町)、金沢市選挙区、野々市市選挙区、小松市選挙区、加賀市選挙区だ。中でも羽咋市羽咋郡南部と加賀市の選挙区は定数が減るため、激戦だ。

羽咋市羽咋南部は現職2人が、そのまま定数1を争う構図だ。

加賀も定数2のところを現職2人と新人の激戦となる見込みだ。

このほか注目の選挙区はとしては、現職が引退を表明し保守系新人による三つ巴が予想される志賀町の羽咋郡北部選挙区。

現職と新人、保守分裂の一騎打ちが確実視されている輪島市選挙区に注目が集まっている。

馳知事が制した去年3月の県知事選の影響がどのように出てくるのか。輪島市選挙区に注目した。

現職と新人 保守分裂の一騎打ちへ

2022年10月。

宮下正博県議:
とりわけ奥能登というのは1つの自治体だと思っています。その中で調整役が私の役目、そんな風に思っています。そんな役割を果たさせていただけるならばいま一度、私も頑張ってみたい、そんな思いであります。

このように述べたのは、輪島市選挙区選出の現職で6期目を目指す自民党の宮下正博(まさひろ)県議だ。

出馬表明の席には石川3区、能登地区選出の西田昭二(にしだ しょうじ)衆議院議員も同席し宮下県議への支援を呼びかけた。

西田昭二衆議院議員:
来年春の選挙戦、様々な風が予想されているわけであります。しかしながら、ふるさとの代表として能登のために働いていただこうではございませんか。

西田議員がいう「風」。前回、前々回と無投票だった輪島市選挙区にこの日、出馬の意欲を示した人がいたからだ。

元衆院議員の次女が出馬へ

記者:
統一地方選に向けての考えは?
北村麻記子氏:
その思いは持っております。輪島市のために、能登のために、石川県のために、何か貢献できることがあればという思いでいます。

輪島市出身の北村麻記子(きたむら まきこ)氏。西田議員の前任で、同じ能登地区選出の北村茂男(きたむらしげお)元衆議院議員の次女だ。

北村氏:
(父・茂男さんの反応について)複雑な思いだったと思いますけれども、その気持ちは理解してもらっていると思っています。

馳知事の衆議院議員時代に秘書を務め、去年3月の知事選でも馳陣営のスタッフとして選挙に奔走した北村氏。

一方、知事選当時、自民党県連の幹事長だった現職の宮下氏。対立候補の山田修路元参議院議員を支援していた。

宮下県議:
麻記ちゃんは大変すばらしい人だと思っていますよ。当然これは戦いですから負けてはおれませんので、その時はやっぱり性根を据えてしっかりとやっていきたい。

秘書としての経験をアピールする北村氏のリーフレットには新人ながら、馳知事とのツーショット。

知事のSNSにも北村氏を激励する内容が投稿されている。

宮下県議:
知事の投稿について、正直私はなんとも思いません。言葉は悪いですけれど、子分がそんなことになると、激励の1つも行っても不思議じゃないと思います。

保守分裂、一騎打ちの公算が大きくなる中、開かれた自民党輪島支部の会合。県連に申請する公認候補について協議が行われた。

その結果…

自民党輪島支部・大宮正総務会長:
現職優先で申請をしようということで話はまとまりました。なので、県議は宮下さんのみ公認申請する。

現職の公認決定後、出馬会見を開き、正式に立候補を表明した北村氏。

北村氏:
新しい時代を切り開いていく、そういう意味では若い世代の声を私の年齢であれば、より広く受け止めて政策に反映していくことができる、そのように思っています。

このように述べ、無所属で出馬する方針を示した。

北村陣営:
やっと終わって生き生きしている。
北村氏:
気抜けちゃった。恥ずかしい…緊張感が…はい。

北村氏:
素直に私のふるさとに対する思いをお伝えして、1人でも多くの方に理解して支持していただきたい。

年が明け開かれた輪島市の賀詞交換会。

そこに、西田衆院議員と議席を争う立憲民主党、近藤和也(こんどう かずや)衆院議員の姿があった。

無所属での立候補となる北村氏について尋ねると…

近藤和也議員:
馳県政に変わる中で、より住民の立場に立った県政を担うことができるのは誰なのか、こういった選挙ではないかと思います。自身の対応については、後援会のみなさまといま、相談させていただいているところです。

一方、宮下県議と西田衆院議員は…

西田議員:
うちの親分をよろしくお願いします。

二人であいさつ回りを行い、「二人三脚」をアピール。

宮下県議:
どなたが出馬会見されようとも、それぞれの地域を思ってのことだと思うので、私は前にも言った通り粛々とやるだけです。

20年の県議経験と国会議員と連携した国とのパイプを強調する宮下氏か。

秘書経験や知事とのつながり、若さをアピールする北村氏か。

1つの議席を巡る保守分裂の激しい選挙戦が予想される。

統一地方選挙、第一弾となる県議選は3月31日に告示され4月9日が投票日。

また、統一地方選挙第2弾となる市議選や町議選の投票は4月23日に金沢市、小松市などあわせて10の市と町で行われる。さらに同じ日には野々市市長選挙と川北町長選挙も予定されている。

各候補者の声を聞き、ぜひ投票してほしい。

(石川テレビ)

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