「ゼロコロナ」緩和後に感染爆発している中国。
SNSには、葬儀場に多くの人が並んでいる様子や、病院に救急車が次々と到着している映像などが投稿されている。
この感染拡大に、さきほど岸田総理は、中国からの入国者の水際対策を強化すると表明した。
パトカー横転させて…破壊行為を繰り返す
夜空に勢いよく放たれる光の帯。中国のSNSには、新年を花火で祝う様子がいくつも投稿されていた。
この記事の画像(17枚)立て続けに花火を打ち放つ様子や、バイクで走りながら花火を上げるなど、各地で派手な光景が多く見られた。
SNSに投稿されたタイトルには、「機関銃の花火が来た 新型コロナ退散だ!」。
一方、中央部の河南省では、感染拡大防止のため花火の取り締まりを行っていた警察車両に一部の民衆が暴徒化。
パトカーに乗り上げるだけでなく、車両を横転させるなどの破壊行為を繰り返していた。
北京市など一部の都市では、一見活気を取り戻しつつあるように見えるが、混乱は続いている。
こうした中、広州の日本領事館が管轄する区域に住む日本人男性(70代)が新型コロナに感染し、1月2日に死亡したことが新たに分かった。
中国で、「ゼロコロナ」緩和後に亡くなった日本人は3人目になる。
また、上海ではいまだ感染爆発が続いていることを伺わせる映像が次々と投稿されている。
葬儀場の内部とみられる映像。
投稿音声:
この葬儀場には朝4時半から人が並んでいる。もうすぐ営業が始まる。見てくださいこの人数の多さ!
また、別の投稿では、病院に次々と救急車が到着する様子が映し出されていた。
投稿音声:
11、12、13、14、15、15台の救急車が来ている。(多すぎて)Uターンできないし、出口もふさがっている
1月4日、FNNの記者が上海市内の病院に向かっても、たくさんの救急車が止まっていて、取材中も救急車が到着していた。
上海市の別の病院に勤務する日本人医師は、むしろこれからがピークだと話す。
パークウェイ医療・友成暁子医師:
1週間半前ぐらいは余裕があったような話は聞いていたんですけど、今日の段階で同僚に確認しますと、ICUを持っている病床はほぼ満床
コロナ専門家の中には、7割もの上海市民がすでに感染しているとの見方を示す人もいる。
水際対策強化で中国人2割が陽性
一方、この年末年始、中国から多くの人が出国していた。
韓国では、入国しようとした中国人の2割が空港の検査で陽性であることが判明。
韓国MBC映像:
中国からの入国者に対して防疫措置が強化された初日、309人のうち61人が空港で新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けました
気になるのが、日本の水際対策だ。
空港検疫で陽性となった26人全員に、中国の滞在歴があった。
1月4日、成田空港で中国から一時帰国をした日本人に話を聞いた。
一時帰国した日本人:
12時50分から13時ぐらいに抗原検査を受けました。大体結果が出るのに1時間から1時間半って聞かされていたので、ずっと椅子に座ってましたね。ホットはしている。中には陰性だと思ってたのに陽性になっちゃって、結構ショックを受けていた方も見受けられていた
そして、さきほど岸田総理は、中国からの入国者の水際対策を強化すると表明。
岸田首相:
中国本土からの入国者の検査を抗原定量またはPCR検査に切り替えるとともに、中国本土からの直行便での入国者に陰性証明を求めることとします
この措置は、1月8日から行われる見通しだ。
中国が公開する情報は本当なのか
イットのスタジオでは…
榎並大二郎キャスター:
日本の水際対策強化の内容を、住田さんはどう見ますか?
住田裕子弁護士:
中国からの情報公開は信用ができないし、陰性証明もはっきり言って大丈夫なのかと思うので、我が国が独自にしっかりと対策を取ってほしい。
今回の変異種について、どんな株なのか、肺に届く強毒性なのかわからないと困りますし、抗原定量などではなく、精度の高いPCR検査をしてほしい。陽性の場合は、必要な期間をしっかりとっていただきたい、ということを希望します
榎並大二郎キャスター:
まずは自衛というところですね。そして、日本政府の水際対策強化について、中国側は「政治的に操作したり、差別的なやり方をしたり、正常な人の往来や交流に影響を与えるべきではない」と牽制しているわけですが、住田さんの言う通り、きちんとした情報を公開しているのか。これをしっかり求めたいと思います
(「イット!」1月4日放送より)